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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成24年2月号》
離婚事件について@

【初めに】
  皆さんこんにちは。
 弁護士の堀繁造です。
 前回まで弁護士の費用についてご説明してきました。
 今回からは,具体的な事件の種類ごとの弁護士の事件処理(あくまで私の場合ですが)についてご説明させていただきたいと思います。

【法律相談】
 まず,離婚相談の申込みがあったときは,相談日を決めて,依頼者から離婚に至る事情を聞くこととなります。
 このとき大事なのは,何が離婚原因なのかということです。
 法律上離婚原因が限られておりますので,離婚原因たりうる事実があるかどうかを知る必要があるのです。
 例えば,単なる性格の不一致では離婚原因になりません。
 もし離婚原因が認められれば,今後の離婚の手続について検討することとなります。
 仮に離婚原因がない場合でも,協議離婚が成立する場合もあれば調停により合意が成立する場合もありますので,必ずしも離婚手続ができない訳ではありません。
 そして,依頼者が弁護士に依頼して離婚手続を行いたいということになれば,依頼者との間で受任の手続(費用の説明,委任契約書の作成,委任状の交付など)を行います。

【方針の決定】
 離婚手続としては,大きく分けて2種類あります。
 一つは協議離婚,もう一つは調停離婚です。当事者間で離婚についての大まかな合意ができているような場合には,協議離婚からはいることもあります。
 相手方が離婚自体争っている場合,離婚自体に争いはないが戸の親権に争いがある場合などは,協議離婚が難しいので,離婚調停を申立てることが多くなります。
 それから,離婚手続においては,相手方配偶者に対しどのような要求をするのかも決めなければなりません。
 さまざまな要求が考えられますが,一般的に問題となるのが,
@ 子どもの親権(未成年の子どもがいるとき)
A 子どもの養育費(同)
B 財産分与(結婚してから築かれた財産があるとき)
C 年金分割(相手方配偶者が厚生年金に加入しているとき)
D 慰謝料の請求(不貞行為等相手方配偶者に離婚原因があるとき)
といったものです。

【離婚事件を依頼する際に用意していただきたいもの】
 以上が離婚事件を受任するまでの大きな流れです。
 もし,離婚事件の依頼を考えている場合に,是非準備していただきたいものが,
@ 夫婦の戸籍全部事項証明書
A 住民票
B 年金分割に関する情報通知書
C 財産に関する書類(預金通帳,自動車の車検証,不動産登記全部事項証明書,住宅ローン契約書など)です。
 また,結婚してから離婚を決意するに至るまでに様々な出来事が起きていることが多いので,そういった事情を予め文書にまとめていただいておきますと,手続が進めやすくなります。

【最後に】
 今回は,離婚事件を受任するまでの手続の流れについて簡単に説明いたしました。
 次回は,離婚調停の申立について説明したいと思います。

回答者 弁護士 堀 繁造
堀法律事務所
弁護士 堀 繁造
福岡市中央区大名2-11-13古河大名ビル4F
TEL092-718-0029 FAX092-714-6881
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