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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成27年4月号》
強制執行(差し押さえ)をしたい 仮差押を効果的に使う
  質 問

【質問内容】
 仮差押という制度があるのは分かりました。仮差押が効果的な場合、あまり効果的ではない場合を教えてください。

  回 答

【仮差押が効力を発揮できない場合】
 (1)仮差押が効力を発揮できない場合としては、以下が考えられます。
 ○そもそも、相手方に財産がない
 ○相手方の財産が分からない
 ○債権者多数であり、破産をされてしまうかもしれない
 このような事件では、仮差押をする実益は無いと考えます。
 まず、相手方に財産が無い場合ですが、仮差押は、財産を持っている相手方であってこそ、効力を発揮するものです。ですから、大前提として、どのような財産を持っているのか明らかにできる必要があります。
 もっとも、財産が無い相手に対しては、どのような手続きも効力を発揮することは難しいですが・・
 また、十分に資産があるような相手、例えば銀行を相手にするような裁判のための仮差押ということも意味がないので考えられません。
 次に債権者が多数いることが明らかであり、すでに信用不安があるような場合には、仮差押をしても、その相手が破産手続きに移行する可能性もあります。ただ、この場合にも、相手方が破産をしない可能性もありますので、その場合には、仮差押が効力を有する可能性もあります。
 結局、この判断は事案ごとに考える必要がありそうです。

【仮差押が効力を発揮するのは】
 (2)仮差押が効力を発揮するのは、上記の逆になります。
 ○相手方の財産が分かっている
 ○相手方に破産の可能性がない
 このような場合には、相手方は債権者からの執行を逃れるために、財産隠しをすることが考えられます。
 こういった場合にこそ、仮差押は効力を発揮します。
 たとえば、離婚事件における財産分与を求める場合が考えられます。このままでは、夫が愛人に財産を渡すかもしれない、という場合に、妻は夫の口座を把握していれば、妻は、夫が財産を隠す前に仮差押をすることが考えられます。退職金などを支給直前に仮差押をしておけば、入金された直後に夫が散財することを避けることができます。
 このような場合には、仮差押が効力をもっとも発揮できると考えます。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233

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