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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和元年6月号》
事業承継、M&Aについて@

最近、事業承継、M&Aといったことが盛んに行なわれています。私もこれらの手続に関与させていただくことが増えてきました。  そこで、今回からは、事業承継、M&Aについて説明をしたいと思います。

1 身近になったM&A
簡単に言ってしまえば会社の売買です。企業買収です。
新聞で国際的な大企業が身売り、といった報道を目にされることは珍しくありません。新聞で報道されている例は大企業の例で数千億円といったイメージがありますが、実は、中小企業でも大変盛んに行なわれています。
私が関与した案件でも、年商は5000万円程度の会社を売却するということもありますし、M&Aの代金が500万円程度といった例もあります。
この程度の金額であれば、十分に身近に行なわれているということもご理解いただけると思います。
では、なぜ盛んにM&Aが行なわれているのでしょうか。これは、売主、買主の双方にとってメリットがあるからです。
まず、売主としては、新たに投資をして、工場を建設したり、従業員を採用するという時間を節約できます。あるいは、自社商品の仕入れ先を買収すれば、仕入れ価格が有利に動かせる可能性があります。
最近は、人材に着目した企業売買が多いようです。これは高度な特殊な人材に限りません。現在は、どこでも人不足と言われているように、事務職も研究職も工場従業員も不足しています。
このようなときに、例えば、工場の従業員を20名採用しようとする場合に、人材採用会社に依頼をしても費用がかかりますし、時間もかかります。それが、20名の従業員がいる工場を買収できるのであれば、すぐに人材の確保が可能となるのです。
仮に採用コストが一人50万円かかっているのであれば、20名を一度に採用できるのであれば、買手企業にとっては1000万円の価値はあると考えられるのです。
一方、売手としては、後継者不足で廃業するつもりだったが、事業を売却することにより、@代表者の退職金が得られ、A事業を継続し、従業員の雇用が維持できた、というようなメリットがありえます。

2 M&Aの方法
M&Aには多くの手法がありますが、多くは、株式を譲渡する方法、合併、あるいは、事業譲渡による方法です。
どのような手法によるかは、各場合によって異なります。
例えば、合併を予定していたものの、対象会社に思わぬ債務のリスクが確認された、という場合には、合併を回避し、事業だけを譲渡するということが考えられることになります。
このように、メリット、デメリットを考慮して、その手法を選択することになりますが、手続においては、法律、財務、税務の専門家のアドバイスが不可欠となります。

 次回以降、M&Aについて、さらに説明をしたいと思います。

                                        以上

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233

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