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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和4年2月号》
M&Aについて 法務DD(WEBサイトの売買)について

今回は、前回触れましたWEBサイト等の売買について説明をしたいと思います。

1 WEBサイト売買のニーズについて
もはやWEBサイトの重要性について説明をするまでもないかと思います。M&Aの際に、対象資産としてドメイン、サイト等を確認することは必須ですが、WEBサイトのみを単独で売買することも珍しくありません。
ネット上で様々な情報が取得できるのみならず、商品を購入するのは当たり前となっています。利益を生む優良なWEBサイトは優秀な営業社員のように多くの売上をもたらすことになります。このようなWEBサイトは、そのサイトだけでも価値があり、売買の対象となることになります。
また、ご存知のように、現在では購入商品に関する情報が多々あふれています。そして、信頼できる情報を見ると、その情報からのリンク先によって商品を購入することもあります。外部委託の営業のように、アフィリエイトによって収入を得るという仕組みも定着しています。こういったアフィリエイトサイトは直接に収益を生むサイトとなります。
その他、アクセス数の多いサイトは、広告収入が期待できます。特定の分野に関するサイトにアクセスが多いとなれば、そのサイトの閲覧者に向けて広告をすることが考えられます。
このようなサイトは売買の対象となります。

2 WEBサイトの売買
WEBサイトの売買は、やはりネット上だけで行われ、相手と会うこともなく完結するということが珍しくありません。
インターネットで検索すると、「サイト売買」と検索すると「サイト売買のラッコM&A - 手数料無料のサイト売却」といった広告が掲載されるほか、いくつかの売買を仲介するサイトが確認されます(私は専門家として、ラッコM&Aの無料弁護士相談に関与させていただいております)。
ここでは、サイトの概要と希望価格が示され、購入希望者との交渉が行われます。契約書は標準的なひな型が用意され、売買契約が成立すると、アカウント等の引継ぎが行われます。また、売買後にもフォローをする期間が設けられるなどの特約を付す例があるほか、上記のような集客を目的にしたサイトの場合、それようの原稿を数本加えるような特約も見受けられます。
WEBサイトとWEBサイト上で売買するのであれば、相手が見えずに不安だと思われるかもしれませんが、契約書は作成されており、その際には実名での取引となっています。
その他、ラッコM&Aでは、引継ぎが行われるまで売買代金の支払いが留保されるなど(エスクローサービス)、ネットで顔をあわせない中で取引の信用性を担保する仕組みも用意されており、取引の安全性を担保することで、取引の活発化を進めています。
今後、会社の売買、事業の売買のみならず、WEBサイトを作って売るというビジネス、あるいはWEBサイトを仕入れて、育てた上で転売をするビジネスなどが、もっと盛んになるのではないかと思われます。

今回はあまり法的な説明ではありませんでしたが、ご了承ください。
次回以降は、M&Aの実例を少し紹介できればと思います。
以上

                                                 以上
本説明は本原稿掲載日(令和4年2月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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