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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和4年6月号》
M&Aについて M&A支援機関登録制度のご紹介

M&Aに関して補助金が出るという話を聞きました。どのような制度でしょうか。

これまで私が経験したM&Aの事例をご紹介いたしておりましたが、今回は、M&Aに関する補助の制度、支援機関登録制度についてご紹介いたします。
ご質問の件は、中小企業庁による補助金のことだと思います。
中小企業庁のホームページ(「M&A 補助金 中小企業庁」と検索してください)によれば、中小企業の事業承継、M&Aに関する専門家費用として、その費用の3分の2の補助が得られる制度があります(上限が600万円です)。※制度の詳細は、この原稿で内容を保証できませんので、詳しくは同庁等にご確認いただくよう、ご了承ください。
この専門家費用としては、M&Aで仲介をする業者、FAをする業者、専門家(デューデリジェンスを行う弁護士)等の費用の補助を行うものです。
ただし、この仲介、FA等の業者は中小企業庁への登録を行っている業者に限られます。専門業者には、登録に際しては、実績や料金体系も開示をすることが求められています。なお、私もFA業務、デューデリジェンスを実施しますので、顧客に補助金が得られるのであればと思い、この登録を行っております。
国がこのような登録制度、補助制度を実施する効果としては、まずは@中小企業のM&Aを促進する、ということがあります。そして、不透明感のあるM&Aに関する報酬体系を透明化し、悪質業者を排除する、ということが期待されます。
M&Aを効果的に進める際の相談のハードル、依頼のハードルとして仲介、FA業者の費用が不透明かつ高額であることがネックとなる場合があります。多くの大手業者が最低報酬が500万円とされる中で、ほぼ無償での承継を行うような場合に、そのような報酬を支払うことは抵抗があります。しかし、補助が出るのであれば、このような低額なM&Aも進む可能性があります。
実際に社会の大多数は中小企業です。小規模のM&Aこそが社会に求められていると言えます。その推進について大きく期待できるところです。
また、事業承継を考えた際にどこに相談すべきか、という場合に、今回の登録制度は参考になるものといえます。少なくとも、報酬体系は明確化されており、補助金の申請の際には報酬も開示されることになりますので、当事者が想定外の報酬が生じるようなことは無いと思われます。 
もしM&A、事業承継を検討されているのであれば、上記補助金が適用できる可能性があります。この原稿を読まれてご関心がありましたら、当事務所にも御連絡ください。当事務所で扱えない案件についても、適切な仲介、FAのご紹介ができると思います。

本説明は本原稿掲載日(令和4年5月))時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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