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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和6年10月号》
カスタマーハラスメント対策入門7

カスタマーハラスメント対策、何から始めるのか

 厚労省のマニュアル18〜19頁には、「カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組み」が整理されています。
 これを参考にしながら、企業がカスハラ対策として、具体的に、どう取り組めばいいのか、検討をしましょう。

@基本方針の明確化  まずは、カスハラ対策をすると経営者が決断するところからスタートです。
 基本方針とは、カスハラに対して、取引を優先しない姿勢を示すことが基本です。従業員がカスハラに耐える必要はない、という経営方針を立てましょう。

A従業員のための相談対応体制の整備
カスハラに従業員が困っていないか確認する、カスハラに困った場合に相談できるような体制を整えます。
例えば、営業部長、店長がカスハラの相談窓口といったことを決め、従業員に周知をします。

Bカスハラ対応のルール作成
 カスハラと思われる案件の場合には、例えば、担当者は複数とする、対応内容は録音をする、担当する従業員は途中で担当を変更する、手に負えない場合には弁護士に相談をする、警察に通報する、といったルールを決めることになります。

C従業員への周知
 顧客からカスハラを受けた場合の具体的な対応について、上記のBについて、従業員に周知をします。

 この中で、大事なのはBでしょう。具体的な対応方法の検討こそが重要になります。
次回はカスハラ対策、対応方法について検討したいと思います。

                                            以上

本説明は本原稿掲載日(令和6年9月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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