|
カスタマーハラスメント対応 研修について
厚労省のマニュアルが企業が取り組むべき対応として、「社内ルールの作成」と「従業員への教育・研修」としており、前回は「社内ルールの作成」を説明しました。
次は、教育、研修です。
社内ルールの社内への落とし込み、となります。
大きな会社では、サービスフロントに立つ方から、その管理をする方、さらに総務系で対応をする方といった組織での対応になるでしょうし、小さな会社では、サービスフロントはアルバイトであり、さらには店長もアルバイトという会社もあるでしょう。このように、どこまで、どの従業員に期待できるのかは会社によって違いますが、ここでは、次の3者を想定して、教育を考えたいと思います。
・サービスフロントに立つアルバイト(アルバイト)
・サービスフロントの責任者あるいは店長(店長)
・総務的な管理職(管理職)
1 サービスフロントに立つアルバイトについて
サービスフロントのスタッフに期待することは、まずは、トラブルができるだけ発生しないようにすることです。
そして、顧客から何等かの要求を受けた場合には、すぐに上司に報告をするということです。
カスハラでは、よく「上司を呼べ」「上司に代われ」ということがあります。
このときに、適切に上司を呼べるようにする必要があります。
サービスフロントのスタッフは、上司に、「客が怒って、上司に代われと言ってるのでかわってください」だけでは、上司も対応が難しくなります。
できれば、・誰が、・なぜトラブルになっているのか、・どういう要求をされているのか、ということを伝えることができれば理想的です。
例えば、「やくざ風の男が、自分で提供した食料品をこぼして、クリーニング費用を求めている」ということなのか、「常連客から、先日購入した総菜に虫が入っていた」という話なのか、「電話をしろ」といって帰ってしまったのか、その場にいるのか、暴力等はないのか、といったことを把握する必要があります。
こういったことを説明できるように、トラブルにあった際には、誰に対し、どういった報告をするのか、できればメモをとり、整理できるようにしておく必要があります。
上司への報告が電話であれば、電話番号を把握しておくことも必要ですし、その電話は客前ではないところからかけることができるようにする必要があります。
なかなか大変かもしれませんが、勉強会をする、ロールプレイをしてみるということが有効だと思います。
次回は店長への教育について、検討したいと思います。
以上
本説明は本原稿掲載日(令和7年11月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。
回答者 弁護士 小川 剛
|