弁護士徒然草

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成29年9月号》
破産手続H 配当?弁済?

1 破産手続については,おおまかに,「破産者の財産を債権者に平等に分配する手続」と説明することがあります。
  そうは言いましてもすべての債権が,平等の割合で分配を受けるわけではありません。
  法は債権の優先順位を定めていますので,優先順位が上の債権から支払いがなされ,優先順位が下の債権は,上位の債権への支払いがなされて,なお余裕があれば支払われることになります。

2 破産法上,優先される地位を与えられているのは「財団債権」と呼ばれる債権であり,租税債権(の一部)や労働債権(の一部)がこれにあたります。
  財団債権への支払は「弁済」と呼ばれます。
  財団債権は,破産手続によらず,管財人が適宜弁済することができます。
  (なお厳密には,財団債権でも優先されるもの,劣後するものがあります。)
  同順位の財団債権が複数存在するけれども全額を弁済することが出来ない場合は,弁済可能な額を財団債権額に応じて弁済します。
  これを按分弁済といいます。

3 上記の財団債権に対して,貸金や売買代金債権などの一般の債権は,「破産債権」といって,破産手続において平等割合で支払いを受けることになります。
  破産債権への支払を「配当」といいます。
  なお破産債権も,財団債権の場合と同様,優先されるもの,劣後するものがあります。

4 財団債権への支払は持参債務(債務者が債権者のもとで支払する債務)となりますので,振込の場合,振込手数料は財団が負担することになります。
  これに対して破産債権への配当は,破産法上取立債務(債権者が債務者のもとで支払を求める債務)とされていますので,振込の場合は振込手数料相当額を控除できます。
  通常,振込手数料は弁済者の負担ですので(民法上の原則もそうです。)配当の場合,債権者の方から振込手数料を控除する(振込手数料は債権者負担となる)ことについてクレームが出されることがあります。そのため配当の際は債権者の方にこの点を説明しておく必要があります。

回答者 弁護士 仲家 淳彦
あゆみ法律事務所
弁護士 仲家 淳彦
830-0023福岡県久留米市中央町37-20 久留米中央町ビル5階
電話0942-65-9277 FAX 0942-65-9280
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