不動産鑑定士の仕事

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和4年8月号》
賃料評価の基礎知識C

1.はじめに
今回は、鑑定評価における賃料の分類として新規賃料と継続賃料を説明します。

2.新規賃料と継続賃料
新規賃料とは新規に賃貸借契約を結ぶ際の賃料ことで、賃貸市場の家賃相場等によって決まります。一方、継続賃料とは既に結ばれている賃貸借契約を改定する際の賃料で、特定の当事者間において成立する賃料です。
例えば、新規に出店するために店舗を借りる場合は新規賃料で、既に借りている店舗の賃料を改定する場合の賃料は継続賃料となります。
鑑定評価基準では両者を明確に分けており、評価手法も異なります。
当事務所にも「家賃で揉めていて鑑定評価を依頼したい」という話をいただきますが、締結済みの賃貸借契約を前提としているため、継続賃料の評価を行うことになります。
継続賃料は、以下のように新規賃料と現行賃料との間で決まることが一般的です。


賃料上昇局面の新規賃料と継続賃料の関係

3.継続賃料評価の前提
借地借家法32 条の「賃料増減請求権」が適用される場合に継続賃料評価が可能となります。賃料増減請求権とは、継続中の借地契約・借家契約において、一方の当事者が他方に対して、地代・家賃の改定を請求することが出来るという権利です。

4.最後に
次回も賃料について説明します。

回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
佐々木不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 佐々木 哲
〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2-6-20 ラクレイス薬院203
TEL092-791-1873 FAX092-791-1893
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