不動産鑑定士の仕事

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和6年1月号》
継続賃料J

1. はじめに
今回は、継続賃料の重要なキーワードである「事情変更」について解説します。

2.賃料増減請求を行うためには
借地借家法に基づく賃料増減請求を行うためには、直近合意時点(現行賃料を合意した時点)以降において土地価格の変動などによって賃料が不相当となる事情、いわゆる「事情変更」が生じている必要が有ります。「事情変更」が生じているため、当事者間の公平の観点から賃料の変更を認めるというのが賃料増減請求のロジックです。


差額賃料

3.事情変更となる要因
賃料増減請求を行うためには、以下のような「事情変更」が生じている必要があります。
・物価水準、所得水準の変動
・固定資産税、都市計画税等の税額の変動
・税制の変更
・土地価格の変動
・建物価格(建築工事費等)の変動
・代替競争不動産の賃料相場の変動

4.事情変更が生じているかどうかを知るためには
賃料相場の変動等の事情変更が生じたか否かを正確に把握するためには、不動産鑑定士に相談することが最良と思われます。仮に「事情変更無し」という結論となる場合は、賃料増減請求を行使出来ないことになりますが、このような場合は相手方に対して賃料増減請求権が無いことの証明として鑑定評価を使うことも可能になります。

5.最後に
次回も継続賃料を説明します。

回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
佐々木不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 佐々木 哲
〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2-6-20 ラクレイス薬院203
TEL092-791-1873 FAX092-791-1893
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