不動産鑑定士の仕事

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和6年2月号》
継続賃料K

1. はじめに
賃料増減請求は賃料が不相当となる事情変更が生じている場合等に認められます。
今回は、事情変更を考慮する起点となる「直近合意時点」について解説します。

2.直近合意時点の考え方
直近合意時点とは、当事者間で現行賃料を合意し、これを適用した時点のことです。
継続賃料の鑑定評価は原則として、直近合意時点から価格時点までの事情変更を考慮するものであり、直近合意時点は事情変更の起点になります。
直近合意時点の取り方により、求められる継続賃料にバラツキが生じますが、平成20年の最高裁判例(最判平成20.2.29判時2003号51頁)により直近合意時点という概念が明確にされました。


事情変更

3.直近合意時点の具体例
賃貸借契約のなかには、将来的に賃料を増減することを予め定めている場合があります。私的自治の原則からこのような賃貸借契約も基本的には有効ですが、賃料増減請求を行う場合、直近合意時点はいつになるのかという論点が有ります。
直近合意時点は当時者が現行賃料を合意した時点ということを踏まえると、自動改定特約がある場合は、自動改定した時点ではなく、自動改定特約を設定した時点(契約時点)が直近合意時点になります。


自動改定特約と直近合意時点

4.最後に
次回も継続賃料を説明します。

回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
佐々木不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 佐々木 哲
〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2-6-20 ラクレイス薬院203
TEL092-791-1873 FAX092-791-1893
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