1. はじめに
アフターコロナにおいて、インバウンドが回復し、国内のビジネス・レジャー需要も高まる中で、ホテルの売上が好調です。今回は、ホテルの賃料に影響を与えるインバウンドの回復状況とホテルの稼働率・宿泊単価の推移をご説明します。
2.訪日外国人旅行者数
2023年の訪日外国人旅行者数は約2,057万人とコロナ前の2019年約3,188万人の8割程度まで回復。直近の2024年の1月〜3月は、コロナ前のピークであった2019年の同時期より+6.3%増加しました。また、訪日外国人消費額は2019年の4.8兆円から2023年には5.3兆円を記録し、コロナ前を超えて過去最高となっています
3.ホテルの稼働率
円安の進行がインバウンドの回復を後押していることもあり、ホテル需要が高まっています。観光庁の統計によると2023年の延べ宿泊者数は、コロナ前のピークであった2019年を超える617,475千人を記録し、ビジネスホテルの稼働率はコロナ前の9割程度まで回復しています。
したがって、ホテルの経営環境は良好であると言えます。
4.ホテルの継続賃料
ホテルの賃貸借契約は、売上に連動して賃料を払う変動賃料の形態が主流になりつつあり、この場合、売上の増大分を一定の料率で所有側も享受出来るため、継続賃料の争いになることは少ないものと考えます。他方、固定賃料の場合、売上が増大しても所有者側は賃料を余計に受け取ることが出来ないため、継続賃料の争いが発生する可能性が有ります。
5.最後に
次回も継続賃料を説明します。
回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
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