不動産鑑定士の仕事

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和7年12月号》
継続賃料34

1.はじめに
今回は、賃料の増減請求の根拠となる借地借家法を説明します。賃料は、地代と家賃から構成されるため、借地借家法の規定も分かれています。

2.地代等増減請求権
 地代等増減請求権は、「地代又は土地の借賃が土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったとき」(借地借家法11条1項)に行使できると定められています。
 すなわち、@土地に対する租税その他の公課の増減、A土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動、B近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となった場合は、地代の増減請求が出来るとされています。
 @は、固定資産税等の税金は賃料の構成要素であるため、その変動は賃料額に直接的な影響を与えるためです。Aは、土地価格と地代は、元本と果実の関係にあるため、土地価格と地代の変動はリンクするという考えに基づくものです。しかしながら、土地の取引市場と土地の賃貸市場は必ずしも相関関係にある訳ではないことに注意が必要です。Bは、周辺の地代相場と比較して割安、又は、割高になっていることを理由として地代等の増減請求権を認めるものです。

3.借賃増減請求権
 借賃増減請求権、すなわち、家賃の増減請求権は、「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき」(借地借家法32条1項)に行使できるとされます。
 つまり、@土地・建物に対する租税その他の負担の増減、A土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動、B近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となった場合が挙げられています。
 ただし、@〜Bの要因は、例示として挙げられているものであり、これ以外の要素も賃料増減請求権の要因になるものと考えられています。

4.最後に
 次回も継続賃料を説明します。

回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
佐々木不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 佐々木 哲
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