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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成26年12月号》
障害者特例と長期加入者の特例

 年金の中に特例と言われるのものが2つあります。今月はこの2つの特例についてご紹介します。
@ 障害者特例
 国民年金と厚生年金合わせて25年、そのうち少なくとも12カ月以上厚生年金に加入している人は、その方の受給開始年齢になれば、厚生年金の一部分「報酬比例年金」がもらえます。男性であれば今年61歳になる方が該当しますし、女性であれば、まだ60歳で該当です。
 その受給開始年齢になった時、厚生年金に加入しておらず、3級程度の障害状態であれば、報酬比例部分が始まるときから定額部分もあわせてもらえるというものです。国はその方の障害状態の把握ができませんので、本人の請求が必要です。この定額部分は、厚生年金1年加入でおおよそ2万円位になりますので、10年加入で年20万円、20年加入であれば年40万円増額となります。
 次に3級程度の障害状態とはどれぐらいかと言いますと、ペースメーカーを入れている、人工関節、人工弁、人工肛門を付けている等です。もし3〜4級の身体障害者手帳を取得している方であれば、該当する可能性がありますので、最寄りの年金事務所でご相談ください。診断書と障害者特例の請求を提出するだけなので、障害年金を請求するよりもかなり簡単です。

A 長期加入者の特例
 これは厚生年金のみ44年間(528月)働き続けた人に対する慰労の意味を込めた特例です。男性で言えば、昭和24年4月2日以降生まれの人には定額部分がありません。
 しかし、44年間も長く働いているので、退職したら(または、厚生年金に加入しない働き方であるパートやアルバイトになったら)定額部分を支払いますよというものです。上限がありますので、増えるのは年間80万円程度です。しかし、65歳未満のいくつかの条件を満たした妻がいれば、加給年金という配偶者手当(年386,400円)が一緒に出ますので、報酬比例部分プラス月当たり98,000円程度増えることになります。
 これは、本人が請求しなくても、退職すれば会社が厚生年金の資格喪失届を出しますので、日本年金機構は自動的に年金額を計算して支払います。
 以前は15歳から働き始め、60歳定年で該当する方が多かったのですが、現在では高校卒業後62歳まで一社に勤め続けた方が該当します。福岡県内では、ブリジストン、トヨタ、日産等で多く見受けられます。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
TEL092-836-8238 FAX092-836-8239
HP http://hreiko-office.com/
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