3月と4月、2回に分けて年金と税の雑学をQ&A形式でご紹介します。
【問1】 本人の承諾もなく年金からいろんな税金が天引き(特別徴収)されるのはどうしてですか?
【答え】 介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、公的年金にかかる個人住民税は、市町村が徴収しますが、65歳以上の方は、国民皆年金のもとでほとんどの方が何らかの公的年金を受給しているため、被保険者の利便性、市町村の事務処理の軽減、効率的で確実な保険料徴収を目的として、公的年金から特別徴収されているそうです。
【問2】 1月に死亡した年金受給者の年金が2月13日(金)に振り込まれましたが、その時に特別徴収された介護保険料はどうなりますか?
【答え】 特別徴収された介護保険料に過誤納額があるときは、相続人又は遺族に支払われます。
【問3】 同じ市町村に住んでいるのに、年金から国民健康保険料を引かれる人と引かれない人がいるのはなぜですか?
【答え】 世帯内の国民健康保険の被保険者が、世帯主も含め65歳から74歳までだけの世帯の世帯主の方を対象に年金から特別徴収しているそうです。世帯内に65歳未満の国民健康保険の被保険者の方が1人でもいる場合は、特別徴収されないそうです。納付方法は変更できますので、市町村へお問い合わせください。
※対象となる世帯主は、年金額が年額18万円以上の方で、介護保険料と国民健康保険料を合わせた額が年金額の2分の1を超えない人です。
【問4】 夫婦で国民健康保険に加入していましたが、配偶者が75歳になり、後期高齢者医療保険に移りました。これまでは、年金から国民健康保険料が引かれていましたが、配偶者が抜けた後私の国民健康保険料はどうなりますか?
【答え】 (夫75歳未満、世帯主、国民健康保険、妻75歳以上、後期高齢者医療制度加入)
世帯主であるご主人のみ国民健康保険に加入しているため、65歳以上の場合は年金から徴収。
(夫75歳以上、世帯主、後期高齢者医療制度加入、妻75歳未満、国民健康保険)
ご主人は世帯主ですが、国民健康保険の被保険者ではないので、妻の国民健康保険料は年金からの徴収となりません。
【問5】 特別徴収される保険料額が変更されましたが、どうしてですか。
【答え】 特別徴収する保険料額を決定する保険者は、国民健康保険であれば市町村、後期高齢者医療制度であれば各都道府県の広域連合です。一般的には、その年の保険料額を市町村で決定し、10月の年金支払分からの特別徴収額(本徴収)に反映する仕組みとなっています。
【問6】 介護保険を利用しないので、年金から引かないでください。
【答え】 法律上40歳以上の人は、すべて介護保険に加入しないといけないようになっており、個人の都合による変更はできません。
【問7】 年の途中で天引きされなくなりました。納付書で納めるのは大変なので、天引きに戻してください。
【答え】 特別徴収だった人が、住所を変更した、年金が支給停止となった、差し止めとなった、年金担保になった場合は、普通徴収に切り替わりますので、原因を確認してください。
【問8】 源泉徴収票は、どんな人に来ますか
【答え】 老齢、退職を支給事由とする年金を受給している人全員に送られてきます。遺族、障害年金は、非課税所得ですので、源泉徴収票は送られてきません。
【問9】 「支払金額」に記載された金額は、いつからいつまでの分ですか。
【答え】 2月支払い分〜12月支払い分までです。
【問10】 源泉徴収票をなくしてしましました。再発行できますか。
【答え】 過去8年分可能です。税務署での修正申告は、基本的に過去5年までです。
【問11】 死亡した夫の源泉徴収票が来ていません。確定申告をするのに必要です。どうしたらいいですか。
【答え】 年金受給者が死亡した場合は、準確定申告用の源泉徴収票が死亡届の提出者に発行されますので依頼してください。
回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
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