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前へ<< >>次へ福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成27年7月号》 |
ねんきん事例3(外国人の妻と子がいるときの手続き) |
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今月号は64歳正彦さんの事例を紹介します。
正彦さんは元商社マンでバツイチ。仕事のため頻繁にフィリピンに渡航していましたが、58歳の時フィリピン女性(当時30歳)と親しくなり男の子が2人生まれました。 ご自身の老齢厚生年金は受け取られています。65歳から加給年金といって配偶者と子の加算がプラスされると聞き、役所に何度も問い合わせたが、納得がいく説明もないし必要書類もよく分からないとの相談でした。
通常であれば、老齢厚生年金の加給年金額が加算される時(65歳の前日)に生計維持されている配偶者と子(18歳に達する年度末までの子)がいれば認定されます。生計維持の認定については、生計同一要件と収入要件を満たさないといけません。 妻と長男については戸籍に入っているので問題はありませんが、次男の証明が難しいようです。住民票については、フィリピンでも存在するとのことでした。所得がない場合、日本では非課税証明書が取得できるのですが、フィリピンでは納税証明書しか発行されないそうですが、収入がないとの本人の申立書(翻訳文付き)でかえることができます。 配偶者加給年金の金額は、正彦さんが65歳になった翌月分から妻が65歳になる月まで年額390,100円加算されます。現在36歳ですからあと30年近く又は正彦さん死亡時まで受け取れることになります。子の加算については2人目までは、一人につき年額224,500円で18歳の年度末まで受け取ることができます。
次男の証明は困難でしょうが、これについてはあまりこだわっていないとのこと。フィリピンでは公立学校の費用負担はほとんどなく、充実しているとのことです。今回手間暇がかかってもきっちり手続きをやっておこうと考えたのは、近い将来自分が先に死んだ場合残された家族に遺族年金を残してあげたいからだそうです。 ※「ハーグ条約」とは、国境を越えた子の連れ去りは、子にとってそれまでの生活基盤が突然急変するほか、一方の親や親族・友人との交流が断絶され、また、異なる言語文化環境へも適応しなくてはならなくなる等、子に有害な影響を与える可能性があります。ハーグ条約は、そのような子への悪影響から子を守るために、原則として元の居住国に子を迅速に返還するための国際協力のしくみや国境を越えた親子の面会交流の実現のための協力について定めています。(外務省HPより) 回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
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