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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成28年11月号》
年金の常識J

 会社員又は公務員として原則20年以上勤務されている方に、一定の条件を満たす配偶者がいれば、加給年金(年額390,100円)といって配偶者手当に相当するものが原則65歳から厚生年金に加算されます。この加給年金は月額にして32,500円なので、もらえるのかもらえないのか、いつからいつまでもらえるのか、対象者にとって非常に大事なことになります。
今月は、この加給年金にまつわる事例をご紹介します。
加給年金をもらう為には以下の条件をクリアーすることが必要です。

@ 厚生年金か共済年金又は合計して加入年数が20年以上(240月)であること。
A いつからもらえるかは生年月日で違うのですが、現在多くの方は老齢基礎年金が始まる65歳からとなっています。そして、いつまでもらえるかは、配偶者が65歳になる月までとなります。ということは、夫婦の年齢差が離れていれば離れているほど長くもらえることになります。逆に、例えば夫が20年以上厚生年金に加入していて、加給年金の権利だけはあるとしても妻が年上だと1円ももらえません。
B 配偶者の年収が850万円以上だともらえません。高額所得者には家族手当を付けなくてもいいでしょうという趣旨です。

一方で、加給年金を受け取っていても途中からもらえなくなることがあります。
例えば、配偶者が死亡した、離婚した、配偶者との生計維持関係がなくなった、20年以上の厚生年金を配偶者が受け取れるようになった等です。本来は加給年金を受け取っている方が離婚すれば、本人から届出が必要です。ですが、一般の方はそんな届出の事を知りませんので、日本年金機構は、加給年金を支払い続けていいかどうかの確認を毎年「生計維持届」というハガキを提出してもらうことで行っています。

今回はその届出を悪用した(?)事例です。
A介さん68歳、元妻B子さん60歳、現在の妻C子さん50歳です。
当初、A介さんが老齢厚生年金に加給年金が加算されるときはB子さんと離婚していませんでした。その後まもなくB子さんと離婚してC子さんと結婚しました。A介さんは加給年金を停止する届出をしないといけなかったのです。加給年金は、加算後離婚その後再婚しても復活しません。しかし、A介さんは故意になのか又は知らずに毎年B子さんの名前が載った「生計維持届」を提出し続けました。
B子さん自身も厚生年金が受け取れる年齢になり、単身者(独身)として、手続きを進めました。そうしたところ、A介さんが加給年金を受け取り続けていることが判明しました。
現在A介さんと元妻B子さんには生計維持関係は全くないということですので、A介さんは受け取り続けた加給年金は返さないといけなくなります。ほぼ4年で150万円近くなので大金です。社会的な手続きを安易に行っていると大変なことになります。内容を理解して、きっちりとした手続きをすることが肝要です。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等 堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
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