今月は障害年金の手続きの流れや必要書類についてご説明します。
初診日が国民年金に加入中の障害基礎年金、初診日が厚生年加入中の障害厚生年金も手続きの流れはほぼ同じです。
基本的な手続きスケジュールを示します。
@ 請求しようとする障害の初診日・病歴等のヒヤリングをする
A 委任状をいただき、年金事務所で請求できるか否かの納付要件を確認する
B 初診の証明書である「受診状況等証明書」を当時の病院から取り寄せる
C 請求方法に応じた診断書を取得する(2つ以上の障害で請求するときは2〜4枚にもなることがあります)
D 「病歴就労状況等申立書」作成
E 住民票等の添付書類整備(配偶者・子がいる場合は多少必要書類が多くなります)
F 障害年金請求書記載(記載内容・書類の最終チェック)
G 年金事務所へ書類一式提出
H 年金機構は提出された資料を基に審査を行います。3ヶ月〜6ヶ月後に認められたら年金証書発送。認められなかったら通知が届きます。
I 年金証書到着後おおむね50日で振込です
請求までによくある問題点は以下のようなことです。
・どこが初診日なのかよくわからない(初めて行った病院なのか、診断名がわかった病院なのか?)
・納付要件を確認したら、国民年金保険料を支払っておらず、申請できないと言われた(最初の病院でだめなら次の病院で納付要件を見てくれないの?)
・初診日と思われる病院が廃院している(この場合はどうしたらいいの?)
・さかのぼりの請求(障害認定日請求)をしたいが、病院にカルテがないと言われた(障害状態は今よりかなり悪かったのであきらめたくない)
・「病歴就労状況等申立書」の書き方がわからない(何をどう書いていいか年金事務所で教えてくれなかった)
・書類一式を出したが、診断書内容の訂正を求められた(提出した書類の内容が矛盾しているから訂正してくれと言われた)
・3〜4回年金事務所へ行ったが、書類の訂正・取り直しでまだ提出できない
一件一件障害状態になった経緯や重篤度、条件等が違いますので、請求までの道のりは簡単ではありません。
次に必要書類について案内します。
障害基礎年金または障害厚生年金、障害認定日請求または事後重症請求、診断書の種類、1つの傷病又は2つの傷病で請求等によって提出書類は違ってきます。
・年金手帳または年金証書(本人・配偶者)
・戸籍謄本(本人・配偶者)
・住民票(世帯全員)
・所得証明書(本人・配偶者・子)
・在学証明書(子)
・印鑑
・預金通帳
・診断書
・受診状況等証明書(初診日の証明)
・病歴・就労状況等申立書
・その他(身体障害者手帳、療育手帳、生計維持申立書、障害給付請求事由確認書、時効に関する申立書)
実際問題、障害を抱えてこれらの書類を間違いなくそろえるのは容易なことではありません。その上年金を受け取れる権利(受給権)を得ることが目的ですので、本人と家族にとって負担は大きいでしょう。
回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
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