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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《令和元年12月号》
年金と周辺知識(利用できる福祉的な制度のあれこれ  パート8)

 今月は福祉的な制度と少し離れますが、発達障害で障害年金を請求するときの注意点について触れます。
 多くの方は発達障害という言葉を聞いたたことがあるでしょう。元々は"児童の発達途上に生じた発達の道筋の乱れ"という意味だそうです。
 人は社会的に成熟していくとき、その時その時で乗り越えていかなければならない主題があります。その主題を乗り越えるときに、脳の感じ方に凸凹があるがゆえに、乗り越えられず、行き詰ってしまうことが起こるようです。早い段階で周囲の人が環境を整え、訓練や工夫で自分なりに社会と折り合いをつけて生活していく方もいるようですが、学生時代に顕在化しなかった特性が社会人となって初めて大きな障壁となり、二次的な精神面の障害が新たに出てくる方も多く見受けられます。
 これまで発達障害(広汎性発達障害)で関わった方の『見えない障害』としては以下のようなものがありました。
 ・自分の体験と相手の体験が重なり合わない、つまり私たちは相手と話すときに視線や表情、ジェスチャー等で基本的なところでは共通しているという暗黙の了解でコミュニケーションをとっているそうです。ところが、この障害を持っている方は、感じ方、見え方が違い、視線・表情・ジェスチャー等の理解ができないということです。
 私も、過去相手と話をしていても、双方向の交流が全く感じられず、告知をされているだけというような印象を受けたことがあります。徒労感が残り、正直怒りさえ感じたことがありました。

 ・こだわりが強い人が多い。私たちから見れば、どうしてそこまでこだわるのと理解できない事が多い。スリッパのつま先を1ミリの狂いもなくそろえておかないと気が済まない。ずれていると何度も直す。
 ・光や音に敏感な方も多いようです。作業をするにあたり、周囲でおしゃべりをされると作業ができないので、つい立てで仕切りをしてもらい、話しかけないようにしてもらう等です。

 人により症状は様々ですが、障害年金の請求をする際に「病歴就労状況等申立書」というこれまでの日常生活の不自由さや困難さを訴える書類があります。作成するにあたり、以下の点を入れるような工夫をしてください。

 〇不適応行動がある場合には、具体的なエピソードを記載する。
 〇臭気、光、音、気温などの感覚過敏があれば具体的に記載する。
 〇作業所等で働いている場合には、仕事の種類、内容、就労状況、職場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を記載する。
 〇仕事の内容が単純かつ反復的な業務であればそのことを記載。
 〇執着が強く、臨機応変な対応が困難であることにより常時指導が必要な場合には、そのことも記載する。
 〇発育・養育歴、教育歴、専門機関による発達支援、発達障害自立訓練等の支援があれば記載。

 以上のようなことに注意して、見えない障害である発達障害の特性を伝えることが必要です。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
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