人生いろいろ、年金もコロコロ

                     前へ<<               >>次へ
福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《令和3年11月号》
精神の診断書に係る等級判定ガイドライン

 精神の病気で障害年金を受給できるか受給できないか、又は受給できるとして、等級は何級かを判断する際の基準というものが日本年金機構から公表されています。
今月はその基準について説明します。
表題のガイドラインという基準が決められる前は、障害基礎年金の決定において、都道府県によって地域差がありました。○○県は認められやすく、○○県は認められにくいといったものです。こういった不公平が生じないように、等級のおおよその判断ができるような基準が設けられ、すべての障害年金の審査が東京の障害年金センター1か所で行われるようになったのです。
精神の診断書の裏面に「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」という項目があります。
「日常生活能力の判定」は7項目に分かれており、医師が評価してチェックを入れます。
(1) 適切な食事、(2)身辺の清潔保持、(3)金銭管理と買い物、(4)通院と服薬(5)他人との意思伝達及び対人関係、(6)身辺の安全保持及び危機対応、(7)社会性です。
また、それぞれの項目が4段階に分けてあります。
・できる
・自発的にできるが時には助言や指導を必要とする・
・自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
・助言や指導をしても出来ないもしくは行わない

医師がどこにチェックを入れるかによって、左端の軽い方からできるは1点、その右は2点、その次は3点、右端のできない場合は4点となり、平均点を出します。

「日常生活能力の程度」は精神障害と知的障害に分かれていますが、それぞれ5段階評価のうちどれに当てはまるか○で囲むようになっています。
その評価したものを以下の表に当てはめて、等級の目安とするのです。

障害等級の目安

平均/程度(5)(4)(3)(2)(1)
3.5以上1級1級又は2級      
3.0以上3.5未満1級又は2級2級2級    
2.5以上3.0未満  2級2級又は3級    
2.0以上2.5未満  2級2級又は3級3級又は
3級非該当
  
1.5以上2.0未満    3級3級又は
3級非該当
  
1.5未満      3級非該当3級非該当
※上記の3級は、障害基礎年金の場合、1級と2級しかありませんので、該当しないことになります。
等級の目安としては,この点数だけで決定されるわけではありません。現在の病状や状態、療養状況、生活環境、就労状況等も加味されます。ただ、審査の中で目安はかなり重要視されているようです。
代理人として障害年金申請手続きの依頼を受けた場合は、医師が適正な診断書を書いてくださるよう細心の注意を払います。
診断書に「単身で生活するとしたら可能かどうかで判断してください」と朱書きしてあります。家族と同居している場合、何かしらの援助を受けて日々の生活が成り立っていることが多いのですが、主治医が安易に「できる」という評価をされるケースがあるのです。
また、主治医が本人にヒヤリングして「日常生活能力の判定」をチェックしてくださるとしても、一般に患者さんは主治医から質問された場合、あまりできていなくても出来ますと言われる傾向があり、実態と齟齬しているケースがあるのです。0.1の差であっても3級非該当つまり受給できないことになるので、診断書作成依頼の前に十分依頼者にヒヤリングして資料を作成する等の準備をしています。
なかなか神経を使う仕事ですが、受給出来たら依頼者とともに喜びを分かち合うことができます。障害年金を受給することで、心身の安定につながり、自立した社会生活への一歩につながることが多いのです。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
TEL092-836-8238 FAX092-836-8239
HP http://hreiko-office.com/
                     前へ<<               >>次へ
人生いろいろ、年金もコロコロリストに戻る