人生いろいろ、年金もコロコロ

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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《令和6年4月号》
公的年金についての雑学〜老齢年金実態調査より〜

日本年金機構が令和4年11月に「老齢年金受給者実態調査」というものを行いました。約5万人の受給者にアンケートを送り、有効回答数は約56%ですが、その回答の中から気になる3項目をご紹介します。平均年齢は約77歳なので、やや高齢者と言えるでしょうか。
@ 年金の受給金額と収入に占める割合
男性 200万円〜300万円  47.4%
   100万円〜200万円  31.8%
女性 100万円〜200万円  37.5%
    75万円〜100万円  26.7%

年金が収入に占める割合は、男性74.6%で女性は84.3%です。つまり多くの方は、年金だけで暮らしていることになります。

A 就業状況
男性 65歳〜69歳 58.3%
   70歳〜74歳 40%
   75歳〜79歳 23.4%
女性 65歳〜68歳 39.9%
   70歳〜74歳 25.4%
   75歳〜79歳 14.3%
10年ひと昔と言いますが、65歳以上で働いている人は10年前の2倍に達します。
ただ、働き方は体にあまり負担のないパートがほとんどです。

B 繰上げ・繰下げの状況
減らされた年金額てもいいからと、早く受けとる場合は、「繰り上げ請求」を行います。
逆に、年金開始が遅くてもいいので、高い年金を受け取りたい場合は「繰下げ請求」を行います。
繰り上げ請求をおこなった男性は6.2%、女性は12.1%です。一般的には、高齢者ほど繰り上げ請求をしています。それは、以前はそんなに長生きしないだろうと考えていたからです。
繰上げの理由としては、「年金を繰上げないと生活できなかった」「生活の足しにしたかった」等です。
一方、繰下げ請求は、男性2.7%、女性1.6%となっています。思ったより少ないと感じるのではないでしょうか。繰下げの理由としては「自分自身に十分な収入があったため」「年金額が思っていたよりも少なく、増やしたかったため」等となっています。

私自身のことで言いますと、老齢厚生年金は繰下げしないで受け取っている(年間4万円ですが!)、老齢基礎年金は繰下げを行っています(受けとらないで保留中)。

【理由】 ・働ける間はなるべく働いたほういいだろうと考えること。
・年金は将来徐々に少なくなるし、働けなくなったときの為に増やしておいた方がいいだろ
 うと考えること。
女性の平均寿命の88歳までは生きるのかなと楽観的にかまえています。

【年金の専門家としての理由があと一つ】
・遺族厚生年金を受け取る場合に、自分の老齢厚生年金は減額対象となるけれども、老齢基礎年金は減額対象とならない事。(説明が長くなる為、なぜこうなるか今回省きます)      

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
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