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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《平成25年3月号》
派遣先が知っておきたい労働者派遣

 「ハケン」、もう耳慣れた言葉で、皆さんのまわりにも派遣で仕事をしている人や、派遣労働者を受け入れている会社はたくさんあるかと思います。一時期は「派遣切り」「派遣村」などの言葉も巷にあふれましたので、「派遣」と聞いてわからない人はいないでしょう。
 許認可事業に関わらず、派遣労働者を受け入れている会社は多いと思います。今回からは身近な「派遣」について、派遣先(派遣労働者を受け入れている企業)の視点から、知っておきたい点を記していこうと思います。

【「派遣」とは】
 「派遣」の意味は皆さんよくご存知だとは思いますが、たまに勘違いされている方がいらっしゃいますので、念のためチェックしておこうと思います。

 以前よくあった派遣の勘違いですが、派遣元(派遣会社)が派遣業の許可等を取得していない状態で労働者を受け入れている点です。その状態で「ハケン」「ハケン」と言っているのです。

 労働者が登録してから派遣労働を行う派遣業は、「一般労働者派遣業の許可」を取得していなければなりません。常用雇用の労働者(例えば自社の正社員を派遣する等)は「特定労働者派遣業の届出」をしていなければなりません。

 派遣を受け入れるにあたっては、派遣元が「一般労働者派遣業の許可」や「特定労働者派遣業の届出」をしているか、きちんとチェックしてから派遣契約を結びましょう。間違っても無許可業者と契約を締結しないようにしなければなりません。

 派遣業の許可や届出をしている場合には、許可番号や届出の番号がきちんとありますので、それらをチェックするのを忘れないようにしましょう。

【「派遣」と「請負」の違い】
 一時期問題となったものとして「偽装請負」というものがありました。これらは何を偽装していたのでしょうか。理解するためにはまず「派遣」と「請負」の違いを確認する必要があります。

 まず「派遣」は雇用関係は派遣元にあり、派遣元から派遣先へ派遣され、派遣先の指揮命令に従って仕事をしていきます。給料は時給で計算されることが多いです。

 それに対し「請負」は請負業者と雇用関係にあるのは同じですが、指揮命令関係は同じ請負業者の指揮命令に服する事になります。報酬は業務量に応じて決定されます。請負は民法に規定があります。

 民法 第632 条
 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

 仕事を完成させ、その仕事の結果に対して報酬を支払いますから、例えば家を建てるとした場合、完成することによって報酬をもらえるので10 人で工事をしても、5 人で工事をしても報酬は同じです。何人で工事をするかは請負業者の裁量です。
 指揮命令についても労働者が注文者から命令されるわけではなく、請負業者(自分の勤務先)から命令を受けます。

 「偽装請負」は、形式上「請負」としていた業務が、実は派遣のように注文者が請負業者の労働者に指揮命令をして、実質「派遣」となっていたことなのです。

【終わりに】
 実際は「派遣」なのに「請負」としていることは問題です。「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示」という告示に基準が記載されています。また、厚生労働省のHP に請負と派遣に関するチェックシートなどがありますので、偽装請負になっていないか、適正に請負になっていないか気になる方は一度チェックしてみて下さい。
 「請負」であれば、業務を依頼する契約期間に制限がありませんが、「派遣」には契約期間の制限がある場合があります。次回以降に派遣契約の制限などについて記していこうと思います。

回答者 行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
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