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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《平成25年8月号》
派遣先が知っておきたい労働者派遣5

 4回に亘って労働者派遣を受け入れるにあたってよく問題になっている自由化業務に関することと、派遣受入期間(派遣期間のリセット、クーリング期間)について述べてきましたが、今回は「雇用契約の申込義務」と「雇用努力義務」について述べていこうと思います。労働者派遣に関するお話は今回を最終回とさせていただきます。

【派遣受入期間に制限のない業務の雇用契約の申込義務 】
 派遣就業の場所ごとの同一の業務について、 3 年を超える期間、 同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けている場合で、当該 3 年が経過した日以後、新たに労働者を雇い入れようとするときには、同一の派遣労働者に雇用契約の申込をしなければならない、とされています。

 つまり@派遣先が「同一業務」に同一労働者」を3年を超えて受け入れている。A3年を経過した日以降に、派遣先が新たにその業務に外部から労働者を雇入れようとしたら、まずその派遣労働者に直接雇入れ契約の申込義務が発生するのです。
 ただし、雇用形態は正社員に限らず、直接雇用であればよいとされています。
 なお、派遣労働者の意向で、そのまま派遣として就業し続けることも可能です。

【派遣受入期間に制限のある業務の雇用契約の申込義務】
 抵触日以降の派遣停止の通知を受けた場合で、通知を受けた派遣労働者を引き続き使用しようとするときは、当該抵触することとなる最初の日の前日までに、派遣先に雇用されることを希望するものに対し、雇用契約の申込をしなければならない、とされています。
 この雇用契約の申込義務は、派遣受入期間の制限を受ける1ヶ月前以降抵触日の前日までに、派遣会社から派遣先と派遣労働者に対して派遣停止の通知がされることが前提になっています。
したがって派遣会社から派遣停止の通知がない場合には、この雇用契約の申込義務は発生しません。
 しかし、この派遣停止の通知がなされずに、抵触日以降も派遣が行われている場合には、派遣先は「労働者派遣の役務の提供を受ける期間」に違反することになり、直ちに派遣を中止しなければなりません。

【 派遣受入期間に制限のある業務の雇用努力義務】
 派遣就業の場所ごとの同一の業務に同一の派遣労働者から継続して1年以上3年以内の派遣可能期間の役務の提供を受けた場合で、当該期間を経過した日以後新たに労働者を雇い入れようとするときは、当該期間継続して従事した派遣労働者であって次の要件を満たす者を遅滞なく雇い入れるよう努めなければならない、とされています。
 @派遣期間終了までに、派遣先に雇用されて同一の業務に従事することを希望する旨を派遣先に申し出ていること。
 A派遣期間が経過した日から起算して 7 日以内に派遣元事業主との雇用関係が終了すること。
 つまり派遣先に対して、その派遣労働者を優先的に雇用するような努力が求められているのです。しかし、あくまで派遣先に対して優先して雇用する努力義務を課しているのであって、雇用の申込をする義務までは求められていません。

【申込義務や努力義務に違反したらどうなるか? 】
 今回お話した「雇用契約の申込義務」や「雇用努力義務」に違反した場合、派遣先に対して指導・助言が行われ、これに従わない場合、厚生労働大臣から派遣先に対し、派遣労働者を雇用するよう勧告がなされ、さらにその勧告に従わない場合には、派遣先の企業名等の公表措置がされることがあるとなっています。

【終わりに】
 特に大きな罰則があるわけではないのですが、企業名が公表されると企業にとっては社会的制裁を受けることになります。

回答者 行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
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