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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《平成27年9月号》
「Airbnb」について考える

 最近、話題になっている「Airbnb」 、ご存知ですか?読みは「エアービーアンドビー」と読みます。このAirbnbは、宿泊施設を貸し出す人向けのウェブサイトで世界 192 ヶ国の 33,000 の都市で 80 万以上の宿を提供しているのです。 運営会社である Airbnb, Inc.は 2008年 8 月に設立され、 アメリカのサンフランシスコに本社を置いています。

【 具体的なAirbnbの内容とは? 】

 Airbnbのウェブサイトを活用して、誰でも自分の家を貸し出すことができるサービスです。インターネットを使って、利用客と貸主を結びつけ、双方から一定の手数料を徴収しているようです。空き部屋を有料で貸し出すことができるサービスとして話題になっており、世界中に利用できる部屋があり、比較的にリーズナブルに利用できるという点で利用者が急増しています。
 借りる方としては、リーズナブルに現地のホテルなどではない「家」や「マンション」に泊まることができ、現地の雰囲気も味わえるという利点があるようです。
 また、貸す方も収益を生まない空き家や空き部屋を活用して収益を得ることができるという点が魅力のようで、実際かなりの金額をこのシステムで稼いだという記事もありました。
 しかし、このAirbnb、かなり問題点もあるようです。

【 Airbnbの何が問題なのか? 】

 ズバリ「旅館業法」の問題があります。旅館業法では宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業には旅館業法の許可が必要としています。違反するともちろん罰則があります。 「6 ヶ月以下の懲役又は 3 万円以下の罰金」です。
 Airbnbを利用して部屋を提供する貸主は、まさに「宿泊料を受けて、人を宿泊させる」に該当しますので、これが業として行われた場合には旅館業法が適用されることになります。
 「業として」ですから、反復継続して営業行為を行うものになります。1 回くらいなら問題はないのかもしれませんが、不特定の借主に貸すことは営業行為≒業と判断される可能性が高いです。
 実際ネットの記事で見ましたが、2015 年 7 月 10 日に福岡県議会において、県議の質問に対して、県の担当者がAirbnb等を利用して個人による空室賃貸について「自宅の建物を活用する場合であっても、宿泊料とみなすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む者については、旅館業法の許可を取得する必要がある。 」としての、無許可営業などの旅館業法違反事例については、 「直ちに保健所による立ち入り検査を行い、厳正に対処する」との答弁をしています。

【 では旅館業の許可をとれば良いのではないか? 】

 実際に旅館業の許可をとるのは、当初から旅館やホテル、簡易宿所として建てられた建物でない限り、一般の住宅やマンションではまず無理です。紙面の都合上、詳細には触れませんが、旅館業法、旅館業法施行令に設備基準が規定されており、またそれぞれ都道府県が定める条例でも規制されています。つまり都道府県ごとに設備基準が異なるのです。
 その他にも、建築基準法や都市計画法上の問題も出てくる可能性や、食事を提供した場合の食品衛生法の問題なども想定できます。また、もし自己所有の物件でなく賃借している建物を利用していたら、無断転貸に該当することにもなります。

【 規制の緩和はされないのか? 】

 どのような法律でもそうですが、旅館業法という法律は特に時代の流れに遅れているという印象を私は持っています。以前、利用することのなくなった別荘を、貸別荘として貸す事業者に関わったことがありましたが、旅館業法の基準をクリアするのにとても苦労しました。
 ただ、政府はオリンピックに向けて外国人観光客が増加することを見越して、一定程度規制を緩和することを検討しているようです。いわゆる「国家戦略特区」です。
 「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」においては、一定の要件はありますが、旅館業法の適用が排除されるそうです。ただ、この特例は「10日以上の滞在の賃貸借」に認められるということのようで、短期滞在がメインであるAirbnbは該当しないことが多いようです。
 しかしこの滞在日数が短縮されれば、国家戦略特区においては適法になる可能性があるのです。
 しかし現状としては、既存の旅館業者やホテル業者から見たら、法的な規制を守らない業者に顧客を奪われると猛反対しているようですし、そう簡単には全国的には広がらないと思われます。
 実際に法を運用する都道府県も全ての事業者をネットで調べて摘発するという行動に出ることも考えにくいです。
 ウィークリーマンションなどのように短期賃貸借契約という言い逃れをして、法的にグレーのままで、悪質なものや火災事故などの問題のあった事例以外は大目に見て、ある意味見て見ないふりをすることが続くのではないかと思われます。

回答者 特定行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  特定行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
〒815-0032 福岡市南区塩原3 丁目22-11 ラフォーレ大橋104
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