許認可事業のココロエ

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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《平成28年4月号》
スキーバス転落事故について3

 前回、前々回取り上げました1月15日に発生したスキーバス(貸切バス)の転落事故について、2月19日に事故を起こした事業者である株式会社イーエスピーの一般貸切旅客運送事業許可の取消処分に係る聴聞手続きが実施され、同日付で同許可の取消処分がなされました。 今回はこの内容をとりあげてみようと思います。

【発表された法令違反事項 】

聴聞手続きの実施についての報道発表の際にも違反事項は発表されていましたが、今回の許可取消処分の際にも違反事項が発表されています。内容が少し変わっているようなので改めて取り上げてみようと思います。
1. 適正な運賃収受をしてなかったこと。
2. 認可を受けずに営業所を廃止していたこと。
3. 休憩、仮眠又は睡眠のための施設の変更の届出を怠っていたこと。
4. 届出をしないで事業計画 (営業所に配置する事業用自動車の数) の変更を行っていたこと。
5. 発地及び着地のいずれもが営業区域外に存する運送を行っていたこと。
6. 運行管理者について虚偽の届出をしていたこと。
7. 運送引受書について、記載が不適切であった。
8. 運賃又は料金の計算基礎を記載した領収書を発行していなかったこと。
9. 運転者の過労防止に関する次の措置が不適切であったこと。
10. 運転者の健康状態の把握が不適切であったこと。
11. 運行に関する状況の把握等のための体制の整備が不適切であったこと。
12. 点呼の実施及び実施結果の記録が不適切であったこと。
13. 点呼の実施結果の記録の不実記載をしていたものがあったこと。
14. 乗務記録について、記録が不適切であった。
15. 乗務記録を1年間保存していなかったこと。
16. 運行記録計による記録を怠って運行していた事業用自動車があったこと。
17. 運行記録計による記録を1年間保存していなかったこと。
18. 事故の記録をしていなかったこと。
19. 運行経路における道路及び交通の状況について事前調査を怠っていたこと。
20. 運行指示書について、記載が不適切であったこと。
21.乗務員台帳を作成していないものがあったこと。
22.乗務員台帳について、記載が不適切であったこと。
23.乗務員台帳を3年間保存していなかったこと。
24.運転者に対する国土交通大臣が告示で定める輸送の安全確保についての指導監督が不適切であったこと。
25.運転者に対する国土交通大臣が告示で定める特別な指導(高齢)が不適切であったこと。
26.運転者に対し、国土交通大臣が告示で定める適性診断(初任、高齢)を受けさせていなかったこと。
27.事業用自動車内に運転者その他の乗務員の氏名を掲示していなかったこと。
28.整備管理者について虚偽の届出をしていたこと。
29.日常点検整備を確実に実施していない事業用自動車があったこと。
30.定期点検整備を確実に実施していない事業用自動車があったこと。
31.定期点検整備記録簿に所定の記録をしていなかったこと。
32.運行管理者に対する適切な指導監督を怠っていたこと。
33.自動車事故報告書の提出を怠っていたこと。

先日2月9日に興味深い新聞記事を見つけました。正式に国交省から発表されているものではないのですが、読売新聞の記事ですので信憑性は高いです。何が興味深かったかというと、今回の事故を起こした事業者の違反点数が45点だったということです。
4日間徹底的に調べ上げて違反点数が45点です。取消処分は81点以上ですので、これでは許可の取消ができません。そこで国交省は最終手段を出してきました。以下の規定を根拠に違反点数を2倍にしたのです。

「社会的に注視される事故又は社会に与える影響が大きい事故を引き起こした場合において、当該事故の発生と因果関係があると推定される違反行為」
「これにより加重を行う場合は、日車数についてはその2倍を上回らない日車数に・・・加重するものとする」

45点の2倍で90点、以前の2点を加えて累計92点になり、これで取消になるのかなと思っていましたら、2月19日の国交省の正式な発表では処分日車数は、読売新聞の記事とは異なり1068日車で107点の違反点数となっています。もし2倍にしたということは真実であれば、元々は534日車で54点です。

とにかく違反点数の累計が以前の2点に107点を加えた109点になったので、同社の事業許可は取消になりました。
今回は発表された事実のみを取り上げましたが、次回は私なりの視点から今回の取消処分について見てみたいと思います。

回答者 特定行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  特定行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
〒815-0032 福岡市南区塩原3 丁目22-11 ラフォーレ大橋104
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