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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《平成28年12月号》
福岡市旅館業法施行条例の一部改正について

 昨今、巷を賑わせている「民泊」ですが、観光庁の集計によると来日外国人が今年は10月末までに2000万人を超えたようです。そのうちAirbnbの民泊を利用した人数は300万人を超えたようです。来日外国人のうち1割以上が民泊を利用しているということです。
現時点で民泊に関する新法の国会提出時期は未定ですので、適法に民泊を行うためには現行の旅館業法の許可を取得しなければなりません(大阪や大田区などの特区を除く)。
福岡市では今年4月に旅館業法施行令が改正されたことをうけ、旅館業法施行条例が改正されることになりました。今回はこの条例改正をとりあげてみたいと思います。

【旅館業法の許可基準の体系について】
 旅館業法という法律がありますが、この法律で「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」という区分で規定されています。そして第3条第2項で施設の構造設備の基準は政令で定めるということが規定されています。ちなみに政令は「旅館業法施行令」といいます。
 「民泊」は現状の旅館業法では、上記の区分で「簡易宿所営業」で許可をとることになっています。旅館業法施行令には「簡易宿所営業」の構造設備の基準が規定されていますが、第1条第3項第7号に「その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。」と規定されています。
 つまり、「旅館業法」「旅館業法施行令」「都道府県(保健所を設置する市は市)の旅館業法施行条例」を満たさないと旅館業の許可を取得することは出来ないのです。
 条例で規定されるわけですから、それぞれの都道府県や保健所設置市ごとに基準が異なります。福岡市で認められたからといって、同じ物件でも他の県で認められるとは限らないのです。

【旅館業法施行令の改正】
 民泊が旅館業に該当するにも関わらず許可を得ずに営んでいるケースが多いため、旅館業法の枠組みで適法に許可を取得するよう推進されています。現状では前述のとおり民泊は簡易宿所営業という区分で許可を取得することになっていますが、政令に規定されている施設の構造設備の基準のうち面積の基準がネックになっていましたので、今年4月1日に政令が改正されました。  施行令第1条第3項第1号に規定されている客室の面積基準が「33平方メートル以上」とされていたところを「33平方メートル(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること」と改正されました。
 この政令の改正に併せて「旅館業における衛生等管理要領」という国が作成して基本事項をまとめた旅館業を営むに当ってとても重要な通知も改正されました。

【福岡市旅館業法施行条例の改正 】

上記の政令と要領の改正に併せて、遅れること3ヶ月、福岡市でも条例の改正作業がスタートしました。本年7月4日から8月3日までの間、条例改正に関するパブリックコメントが実施され、その結果を受け、9月の議会に一部改正案が提出され9月20日に可決されました。
 改正条例のすべてを記載することは紙面の都合上できませんが、メインの改正点は一部省略していますが記載しておこうと思います。追加された改正点に下線を記しておきます。

 第3条第9号
 施設は、玄関、客室その他宿泊者等の用途に供する施設を一体的に管理することが構造であり、かつ、住居その他の施設と明確に区画され、これらが混在していない構造であること。ただし、住居その他の施設との混在に関し規則で定める要件を満たす施設については、この限りでない。

 第5条第2号
 適当な規模の玄関及び帳場を有すること。ただし、宿泊者の定員が10人未満の施設であって、健全な営業形態及び宿泊者の安全の確保に関し規則で定める要件を満たすものについては、適当な規模の玄関を有すること。

 第5条第4号
 一の客室の床面積は、4.5平方メートル以上であること。ただし、宿泊者の定員が10人未満の施設についてはこの限りでない。

 第9条第12号
 簡易宿所営業の施設(客室の延床面積が33平方メートル未満のものに限る)の定員については、客室の延床面積を3.3で除した数(1未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた数)以下の人数とすること。

 改正条例の施行は本年12月1日からです。
 なお、但し書きに出てくる「規則」とは、「福岡市旅館業法施行細則」というもので、現時点では福岡市の例規集には4月1日施行のものしか掲載されていません。12月以降に改正された細則が掲載されると思われますので確認が必要です。

回答者 特定行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  特定行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
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