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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《令和元年8月号》
改正貨物自動車運送事業法が一部施行されました

 昨年改正された貨物自動車運送事業法ですが、一部が7月1日から施行されました。
 この改正では、トラックドライバーの働き方改革を進め、コンプライアンスが確保できるよう、荷主に対する国土交通大臣による働きかけ等の規定が新設されています。これらの荷主関連部分について、7月1日から施行されました。

【 改正の背景 】
 貨物自動車運送事業ではドライバー不足が深刻化しており、ドライバーの長時間労働の是正等の働き方改革を進め、コンプライアンスが確保できるようにする必要があります。
 このような状況を踏まえ、昨年、議員立法により、@規制の適正化、A事業者が遵守できる事項の明確化、B荷主対策の深度化、C標準的な運賃の公示制度の導入を内容とする貨物自動車運送事業法の改正が行われました。このうち Bの荷主関連部分について7月1日から施行されました。

【 施行部分の概要 】
1.荷主の配慮義務の新設
  荷主は、トラック運送事業者が法令を遵守して事業を遂行できるよう、必要な配慮をしなければならないこととする責務規定が新設されました。

2.荷主への勧告制度の拡充
  荷主勧告制度の対象に、貨物軽自動車運送事業者が追加されるとともに、荷主に対して勧告を行った場合には、その旨を公表することが法律に明記されています。

3.違反原因行為をしている疑いがある荷主に対する国土交通大臣による働きかけ等の規定の新設(令和5年度末までの時限措置)
 @国土交通大臣は、「違反原因行為」をしている疑いのある荷主に対して、荷主所管省庁等と連携して、トラック運送事業者のコンプライアンス確保には荷主の配慮が重要であることについて理解を求める「働きかけ」を行う。
 A荷主が違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由がある場合等には、「要請」や「勧告・公表」を行う。
 Bトラック運送事業者に対する荷主の行為が独占禁止法違反の疑いがある場合には、「公正取引委員会に通知」する。

【 違反原因行為とは 】

上記に出てくる「違反原因行為」とは、トラック運送事業者の法令違反の原因となるおそれのある行為のことを言います。具体的には以下のようなものが該当します。

・荷待ち時間の恒常的な発生
  荷主の都合による長時間の荷待ち時間が恒常的に発生すると、過労運転防止義務違反を招くおそれがあります。

・非合理な到着時刻の設定
  適切な運行では間に合わない到着時間の指定は、最高速度違反を招くおそれがあります。

・重量違反等となるような依頼
  積込み直前に貨物量を増やすよう指示することは、過積載運行を招くおそれがあります。

【 注意事項 】
 上記に出てきた「荷主」については、例えばメーカーなどの製造業者等の荷主に限られるものではなく、元請事業者も含まれます。また、着荷主も含まれます。
 その為、他の運送事業者に利用運送で下請に出している場合は、荷主に該当することになりますので注意が必要です。

 下請事業者に運送を依頼している貨物自動車運送事業者は今一度法令をチェックして、何が法令違反になるのかを確認して、自社が違反原因行為をしていないかを見直す必要があります。
 そして荷主から無理な依頼をされている場合には、荷主に対して違反原因行為を改善するよう求める対応もするべきでしょう。
 貨物自動車運送事業者でない純粋な荷主も、運送会社に無理な運行を依頼していないかなど自社の体制を見直すべきだと思います。

回答者 特定行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  特定行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
〒815-0032 福岡市南区塩原3 丁目22-11 ラフォーレ大橋104
TEL 092-213-0606  HP : http://www.kugumiya.com/
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