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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和元年9月号》
実質的支配者となるべき者の申告制度について

司法書士の池田です。

 株式会社や一般社団法人の電子定款の作成で必要な書類が、1通増えました。
 今回は実質的支配者となるべき者の申告書についてご説明いたします。
 これは、マネーロンダリングやテロなどに、株式会社制度が悪用されるのを防ぐためのものです。会社の実質的支配者の氏名・住所などを申告してもらうことになります。
 実質的支配者について日本公証人連合会のパンフレットによりますと、4段階で判断するとされています。
@設立する会社の議決権の直接保有及び間接保有が50%を超える自然人
A上記@がいない場合、議決権の直接保有及び間接保有が25%を超える 自然人全員
B上記@Aがいない場合、出資、融資、取引その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力を有すると認められる自然人全員
C上記@ABがいない場合、設立する株式会社の代表取締役
 ※上場企業及びその子会社は自然人とみなされます。
 また、2019年6月中旬からは、福岡市に拠点を置く地方銀行2行が、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金の供与を防ぐため、法人向けの口座開設時の審査を6月中旬から厳しくするものとされたようです。ただでさえ時間がかかっていた法人設立ですが、この実質的支配者となるべき者の申告書に加え、設立後の銀行開設手続きについても即日開設はできなくなり、長くて2〜3週間ほどかかるようになるとなったため、法人設立の日程はかなり余裕を持って行う必要があります。

回答者 司法書士 池田 龍太
ロウル司法書士事務所
代表司法書士  池田 龍太
〒810-0054 福岡市中央区今川1丁目10番45号 エムズビル2F
TEL 092-725-4850 FAX 092-510-7245
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