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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和4年4月号》
おもしろ知財ツアー64

弁理士の高松宏行です。今回は導入が検討されている「秘密特許」についてご紹介します。
秘密特許とは、公開することが害になるような情報を含む特許出願については、非公開にする制度です。
現行法では、特許権は公開の代償として付与される独占排権という性質を有するため、出願された発明は原則公開されます。この前提を覆す制度が「秘密特許」です。
秘密特許の導入を検討する主な理由は、外国への技術漏洩の防止です。特許権はインターネット(特許情報プラットフォーム)上で公開されます。すなわち、公開情報は外国からアクセスして誰もが閲覧することができる状況にあります。また、日本で出願・権利化しても、権利の効力が全世界に及ぶわけではありません(権利が欲しい国ごとに出願・権利化する必要があります)。
そのため、例えば戦争に用いられる非人道的な大量破壊兵器の開発に繋がる技術が特許情報プラットフォーム上で公開されている場合、その技術に対して外国からのアクセスを許容することは望ましくないという声が挙がっております。G7等の先進国では同様の理由により秘密特許制度を既に導入しており、国際的に足並みをそろえる必要があることから、秘密特許制度の導入は近い将来あり得えそうです。
実は、日本では軍事上の秘密に関係する発明(例えば戦闘機)を保護するという目的から、昭和23年の法改正がなされるまで秘密特許制度を導入していました。
秘密特許制度の導入は、特許が「開示の代償」として付与されるという大原則と矛盾しないための論理構成と、どのような発明を秘密にするのかという定義づけが難しいですが、導入される際には、国が国家安全保障上の観点に基づいて秘密にするか否かを判断することになると思われます。

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
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