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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和5年4月号》
おもしろ知財ツアー76

弁理士の高松宏行です。今回は実際の相談で受けた商標権の落とし穴について説明します。
商標権を取得する際、単なる文字のみで権利化する場合と、文字をロゴ化(図柄化)して権利化する場合の2パターンがあります。
単なる文字で権利化する場合は「標準文字」といって、一行の文字列によって表されます。ここで重要な点は、一行の文字列を権利化できたからといって、それを二段併記した場合でも商標権により保護されるわけではないという点です。
一例として、一行で表した「ドリームスター」で商標権を取得した場合を想定します。
「ドリームスター」を保有する商標権者が「ドリーム」と「スター」を上下二段で併記する行為は、商標法で保護された範囲の使用に該当しません。「ドリーム」と「スター」を上下二段で表すと、それぞれの文字に分離して観察することができるためです。
つまり、「ドリームスター」と「ドリーム」は異なる事業者の間で商標権が存在する可能性があり、「ドリームスター」の商標権者が「ドリーム」と「スター」を上下二段併記で商品パッケージに表示した場合、「ドリーム」を保有する別の商標権者から訴えられる可能性があります。「スター」も同様です。
このように、標準文字(一行で表した単なる文字列)で商標権を取得できたからといって、その文字を複数段に分け、あるいは文字サイズをバラバラ(例えばドリームのフォントをスターのフォントよりも大きくする)にすると、第三者の商標権を侵害する可能性がでてきますので、実際に使用する態様での権利化をお勧めします。

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
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