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弁理士の高松宏行です。「Twitter」が「X」に名称変更したことが先日、大きな話題となりました。「X」への名称変更に関連して、有名なロックバンド「X JAPAN」のメンバーが、自身のバンド名の商標権を侵害しているのでは?といった趣旨の呟きをTwitter上で公開している、という記事を読みました。 まず、「X(旧Twitter)」がどのようなサービスで使用されているかを調べました。日本で商標登録している「Twitter」は、第35類「コンピュータ・携帯型コンピュータ及び有線又は無線の通信機器を利用したユーザー間のリアルタイムで且つ双方向のオンラインによる通信」、第42類「インターネットのユーザーがデータ・情報・マルチメディアコンテンツを掲示・アップロード・閲覧・共有することができるようにするためのコンピュータソフトウェアの提供」等の分野で権利をおさえています。「X(旧Twitter)」のサービス内容を商標法的に表現すると、このようになります。 次に、「X JAPAN」が上述したサービス分野で商標権を取得しているか調べました。「X JAPAN」の商標権は、株式会社ジャパンミュージックエージェンシー、株式会社エクスタシーレコードが保有していました。ちなみに、下記のようなロゴで権利取得されているケースが殆どでした。
![]() ![]() 本件のケースでは、「X JAPAN」側はX社(旧Twitter社)が展開するサービス分野で商標権を取得していないため、X社(旧Twitter社)による「X」の使用を「X JAPAN」側が差し止めることはできないと考えます。
また、商標法上、2文字以内のローマ字は装飾的要素がない限り、商標登録ができないとことになっています。先きに表示した「X」、「X JAPAN」は単なるタイピング文字でなく、装飾的要素が含まれているので、商標登録が認められたものと推測します。 結論は、「Twitter」が「X」に変更されたことで、「X JAPAN」の商標権を侵害することにならない、です。 今月は以上です。 回答者 弁理士 高松 宏行
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