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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和6年1月号》
おもしろ知財ツアー85

弁理士の高松宏行です。今回は2024年5月から施行予定の特許非公開制度について説明します。
原則論から申しますと、特許は公開の代償として、一定期間、特許権者に特許発明を独占的に実施(製造・販売等)することを認めることを趣旨の一つとしています。
特許発明が公開されていないにもかかわらず、何の落ち度もない第三者が知らない間に実施することで侵害を構成するという不条理な事態を招かないようにするためです。

その一方で、特許が付与される技術分野は多岐に亘り、軍事的に利用可能な技術や、国家安全上重要な技術等も例外なく公開の対象となっております。また、特許発明は「特許情報プラットフォーム」と呼ばれる、世界中で誰もが閲覧できるウェブサイトから情報を仕入れることができます。そのため、日本で特許出願された重要な技術が海外に流出し、他国に軍事利用され、国家の安全を脅かすことになりかねない事態が生じるのではないか、との懸念が以前より示されていました。

そこで国は、経済安保推進法に基づき、高度な武器や原子力など、国家安全上きわめて重要な技術分野を「特定技術分野」として認定し、該当する技術については非公開にできる制度を2024年5月1日から実施することを決定しました。

本制度の対象になる技術分野の一例は以下のとおりです。
・航空機等の偽装・隠ぺい技術
・武器等に関係する無人航空機・自律制御等の技術
・誘導武器等に関する技術
・発射体・飛翔体の弾道に関する技術
・例えばレーザ兵器、電磁パルス(EMP)弾のような新たな攻撃又は防御技術
・航空機・誘導ミサイルに対する防御技術
・潜水船に配置される攻撃・防護装置に関する技術
・ウラン・プルトニウムの同位体分離技術
・使用済み核燃料の分解・再処理等に関する技術
・核爆発装置に関する技術

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名2-4-30 西鉄赤坂ビル7F
電話092-711-1707 FAX 092-711-0946
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