おもしろ知財ツアー

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和7年9月号》
おもしろ知財ツアー105

 弁理士の高松宏行です。今回も面白い特許をご紹介します。
 「ファイナルファンタジーのアクティブタイムバトル」
 (特許2794230号 特許権者:株式会社スクウェア)※権利は既に消滅

ファイナルファンタジーのアクティブタイムバトル

 世界的にとても有名で大人気のRPG(ロールプレイングゲーム)である「ファイナルファンタジー」に関する特許です。
 この特許が登場する前のRPGでは、キャラクターごとの行動順序は完全に決まっていて、プレイヤーが「たたかう」などのコマンドを選択している間、敵は攻撃しませんでした。つまり完全な固定ターン制で、リアルさに欠けていました。
 そこでこの特許は、キャラクターごとに「専用のタイマー(計時装置)」を設定し、そのタイマーが時間を計ってゲージが満たされると、キャラクターが自動的に行動を開始するように制御するプログラム構成を採用しています。さらに、攻撃などの行動が終わるとタイマーがリセットされ、一定時間後に再びコマンドを選択して行動できるようになります。これにより、ゲージが溜まった状態を放置しておくと敵キャラクターは自動で動いて攻撃などを仕掛けてくるため、バトルに緊張感と臨場感が生まれます。すなわち、バトルに時間の概念を取り入れたことで、他のRPGにはない斬新なバトルを提供することができました。
 このプログラム構成は「アクティブタイムバトル」と呼ばれ、商標登録されていました。
 この特許は既に消滅していますが、特許が有効な間は「アクティブタイムバトル」を他社が真似できず、スクエア社(当時)の独自性をアピールすることに成功しました。

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
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