【初めに】
皆様、こんにちは。行政書士の和田でございます。今回は、我々行政書士の中心業務であります許可・認可についてふれていきます。それぞれの違いを中心に説明させていただきます。
【「許可」とは】
許可とは、一般的に禁止されていることを特定の場合に限り解除し、適法に特定の行為をなすことを言います。公共の福祉に反する個人又は法人の行為を規制する行政の監督方法の一つで、個人又は法人がその行為をする前に、その行為が許されるかどうかを事前にチェックするシステムのことです。
【許可の種類】
許可制度の置かれる法的な領域や目的により、警察許可、規制許可などに分けられます。飲食店の営業許可、旅館業の許可、風俗営業の許可、酒屋の販売免許、医師の免許、タクシー営業許可、一定の車の駐車許可等がその例です。
【簡単に言うと…】
皆さんの身近な例を挙げると、自動車の運転は誰でも自由に運転できますよ、とすると事故が多発して困ります。ですから、自動車の運転について、基本は「禁止」とし、ちゃんと自動車学校に通い、法令等の知識を得て、運転技術を習得した人だけが自動車の運転を認めるということです。これが「許可」ということです。
【「認可」とは】
認可とは、行政行為のうち私人の契約、合同行為を補充して法律行為の効力要件とするものを言います。認可制度において、認可を受けないで行った法律行為(契約等)は無効となります。
【認可の種類】
認可の種類を挙げますと、農地の権利移転の許可、運賃の認可、建設業許可、医薬品等の製造販売の承認などがあります。ここで、「許可」と言葉では使っても、内容としては「認可」にあたるものがありますので、ご注意下さい。こちらもそれぞれの根拠となる法令に基づいて規定されております。
【簡単に言うと…】
認可とは、普通は自由に行うことができる行為について、ある一定の基準を設けて制限し、その基準を満たしている行為を認めます、という意味です。
こちらも身近な例でいうと、水道料金は水道会社が本来自由に決めることができますが、いきなり高い料金を設定すると、大勢の消費者にとって迷惑です。特に他の選択肢のないものに関しては…。そのため、行政(国又は地方公共団体等)がその料金体系等に基準を設け、その基準どおりに設定されていれば、料金の変更等を認めるということです。
【まとめ】
本来ならば、初めでお話すべき内容だったかもしれませんが、改めて根本的なところを説明させていただきました。許可と認可で違う所は、認可の場合、許可と異なり書類等に不備がなく、基準どおりであれば認可を行わなければならず、意図的に認可を行わないことは認められません。
また、許可を受けないで行ったタクシー営業(いわゆる白タク)でも処罰はありますが、その時の運賃は受け取ることが出来ます。これに対し、農地の譲渡は、許可(認可の意味)を受けてないと代金を払っても無効になります。
以上、簡単ではありますが、「許可」と「認可」についてのお話でした。
回答者 行政書士 和田 好史
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