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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成28年3月号》
投資ファンドの組成について2

【初めに】
   前回から、「投資ファンド」についてお話させていただいております。今回は、ファンドを運営するのに必要な登録や金融商品取引業の種類についてふれていこうと思います。

【1.業としての登録】
 ファンドを組成する場合、例えば組合契約で出資者を募る場合には、原則として「金融商品取引業」の登録をする必要があります。
 これは、金融商品取引法によって、ファンドの募集または私募を行うことが「金融商品取引業」に該当し、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことが出来ないとされているためです。
 金融商品取引業と一言で言っても、その中身は4つの区分に分かれています。ファンドの説明をする上で最低限必要な範囲でまとめると以下のようになります。

 ○第一種金融商品取引業
  株式や社債など、主に金融商品取引法2条1項の有価証券の販売・勧誘をする場合や顧客資産の管理の業務等を行う場合に必要な登録です。皆さんがよくご存知の「証券会社」はこの第一種金融商品取引業の登録を受けて、業務を行っています。
 ○第二種金融商品取引業
  こちらは、主に金融商品取引法2条2項の有価証券の販売・勧誘等を行う場合に必要な登録です。ファンドはこの「金融商品取引法2条2項の有価証券」にあたりますので、販売や勧誘を行うには、この第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。
 ○投資運用業
  投資運用に関する業務を行う場合に必要な登録となります。ファンドで集めた資金を運用する際も、運用先が株式等の有価証券である場合には、この投資運用業が必要となります。
 ○投資助言・代理業
  投資の助言に関する業務や投資顧問契約(コンサルタント契約等)または投資一任契約の締結・媒介を行う場合に必要な登録となります。

 上記のとおり、ファンドを運営する場合では、第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。また、ファンドというのはただ資金を集めただけでは意味がなく、集めた資金を運用することに意味がある(それが売上に繋がる)わけですので、そうなると投資運用業も登録する必要があります。ですので、複数の業務登録をするのが大手投資会社や大きなファンドでは普通のことです。ただし、投資運用業は、株式等の有価証券で運用する場合に必要となるものですので、例えば、集めた資金を「メガソーラー発電所を作る発電事業」を行う場合には、資金は発電事業に使用され、有価証券には投資されないため、投資運用業の登録は必要ありません。
 以上が、簡単ではありますが「金融商品取引業」の4つの区分の説明となります。

回答者 行政書士 和田 好史
和田法務事務所
行政書士 和田 好史
福岡市中央区渡辺通り5-15-6縄田ビル1F
TEL092-752-6116 FAX092-752-6116 
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