【雇用保険手続の時期】
雇用保険関係の手続は、その手続期限が定められています。採用した後の「雇用保険資格取得届」 (以下、 「取得届」 )は、採用した月の翌月 10 日までとされています。
貴事務所の場合、12 月 1 日採用の方と 12 月末採用の方は、いずれも同じ 12 月の採用ですので、手続期限は 1 月 10 日ということになります。反対に、いつから手続が可能かと言えば、採用した日(一般に言う「入社日」 )から可能です。
退職に伴う「雇用保険資格喪失届」 (以下、 「喪失届」 )は、退職日から 10 日以内とされています(厳密には、退職日の翌々日から 10 日以内) 。貴事務所の場合、12 月末退職ということですが、 退職日が 12 月 31 日なら 1 月 11 日までということになります。
そして、いつから手続きが可能かと言えば、退職日の翌日からとなります。
【マイナンバーの記載】
雇用保険手続で、マイナンバー(個人番号)の記載が義務づけられるのは、 「平成 28年 1 月 1 日以降の届出」からとなります。入社日や退職日が 12 月であっても、届出が平成 28 年 1 月であれば、個人番号の記載が必要となるのです。
12 月 1 日に採用された方については、12 月中に取得届を提出されれば個人番号の記入は必要ありませんが、1 月に入ってからの届出なら必要となるわけです。12 月末採用の方と 12 月末退職の方につきましては、年内の届出は事実上困難でしょうから、1月に入ってから個人番号を記載して届出することになります。
【マイナンバーの取得】
12 月 1 日に採用された方については、採用時に既に運転免許証等を確認して本人であることが明らかであるときは、番号通知カード又は個人番号カードを確認していただけばOKです。12 月末採用予定の方については、個人番号カードの確認か、番号通知カードに加え、運転免許証又はパスポート等の確認を忘れないようにしましょう。
問題は、12 月末退職の方ですね。既にもう出勤予定がありませんので、電話や郵送で番号確認等の提出をお願いするしかありません。しかし、提出されない可能性も十分に考えられるところです。
個人番号の記載は、事業所の義務とされています。しかし、本人がこれに応じなかったときは、どうしようもありません。そのため、厚生労働省も、本人が提出しない場合等については、個人番号を記載せず取得届や喪失届等が提出された場合であっても、受理することとなっています。
【今後の採用】
雇用保険手続において、とりあえずは、個人番号を記載しなくても届出自体ができないわけではありません。しかし、あくまでも事業所の義務とされていますので、記載しないことは例外中の例外のように考えておくべきです。
今後採用する場合は、採用時に確実に個人番号を取得することを採用の条件とすべきだといえます。これから就職しようとする事業所に対して個人番号提出を拒否する人は、ちょっと問題ありといえますし、ちょうど良いといえるでしょう。
回答者 特定社会保険労務士 安藤 政明
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