土地家屋調査士の仕事って?

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福岡!企業!元気!土地建物のワンポイント 《平成27年2月号》
地券について

 今月は、明治時代の一時期にあった地券について説明します。
 地券というのは、今で言う土地の権利証のことになります。地券は明治5年より発行され、土地売買ができるようにするため、また地租(今で言う固定資産税)を納めさせるため発行されたものです。これが明治時代の地租改正と呼ばれるものです。
 また、江戸時代は土地売買が禁止されていたこともあり、土地の所有権の曖昧さをなくすために明治政府は民有地所有者すべてに地券を発行しました。この地券が改正地券と呼ばれております。
 地券の変遷として、各地域によって紙の種類が違っていたのですが、明治8年には統一されすべて銅版印刷に変更されています。
 以下は国税庁のホームページに地券の経緯について転載します。

壬申地券から改正地券へ
 地租改正法の公布により地租改正事業がスタートしますが、全国的に本格化するのは明治8年(1875)の地租改正事務局の設置以降です。
 明治8年(1875)には、1%であった市街地の税率が郡村と同様に3%となり、改正地券の様式も統一されました。そして壬申地券では認められていた1枚の地券に複数の土地を記載する方式を改め、土地1筆につき地券1枚を発行することになりました。こうして壬申地券は改正地券に書き換えられました。
 また、明治17年(1884)に土地台帳の作成が指示され、翌年から地租改正事業の不備を正す地押調査が実施されました。明治19年(1886)の登記法により土地台帳の整備が促進され、明治22年(1889)に土地台帳規則が制定されました。こうして地券と地券台帳は廃止され、地租は土地台帳に記載された地価を基準に課税されるようになりました。

 上記にある通り、明治8年に生まれた地券制度は明治19年の法改正、明治22年の規則の制定によりわずか14年間で終わっています。地券制度が廃止された後は、現在の土地謄本と同じ扱いとして使用するものとなりました。
 地券は現在の所有権を表すものではなく特に価値があるものではありませんが、個人的には興味深いものと感じます。

 今月は以上です。

回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
福田土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 福田 憲太郎
福岡市対馬小路4-1-101
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