土地家屋調査士の仕事って?

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福岡!企業!元気!土地建物のワンポイント 《平成28年6月号》
分筆での全地求積と残地求積

 
 今月は分筆登記の時の全地求積と残地求積の説明をします。  最初に全地求積ですが、これは一筆の土地の全体を特定して、その上で分筆する各筆の土地の面積を示すことをいいます。これは、一筆の土地の境界すべてを確認して、分筆線を引くため後日に争いや面積の相違がありません。よって現行法に対応しています。
 次に、残地求積ですがこれは、一筆のうちの一部の分筆となり、残地部分については測量を行ってないこともあり、残地には面積を表すものがありません。元々あった公簿面積から分筆地の面積で引き算を行い、残った面積が登記簿に記載されます。ですので、実際に測量した面積と相違がある可能性が高く、実際の面積とは増減があることも多いです。

 現在の不動産登記法上では、全地求積が基本的な義務になっておりますので、問題はありませんが、平成17年の不動産登記法の改正前は一部の求積でも登記できていたので、わりと新しいものでも残地求積による地積測量図が存在します。
 また、現在でも一部求積が認められていることも条件によりあります。例えば広大な山林の端の一部を道路にする場合に、わずかな面積なのに全体を測量することは経済的にも社会的にも損失が多いので、そういった特殊な場合のみ残地求積による分筆登記が認められています。  最後に条文を記載します。

不動産登記事務取扱手続準則
第72条
1.  略
2.  分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には,分筆前の土地が広大な土地であって,分筆後の土地の一方がわずかであるなど特別の事情があるときに限り,分筆後の土地のうち1筆の土地について規則第77条第1項第5号から第8号までに掲げる事項(同項第5号の地積を除く。)を記録することを便宜省略して差し支えない。

 今月は以上です。

回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
福田土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 福田 憲太郎
福岡市対馬小路4-1-101
TEL092-263-5051 FAX092-263-5041
HP: http://www.tochi-con.jp
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