土地家屋調査士の仕事って?

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福岡!企業!元気!土地建物のワンポイント 《平成29年12月号》
空き家問題A

 今月も引き続き空き家問題についてです。

 空き家で建物の老朽化が進み、倒壊寸前のような状態になると、行政としては何らかの対応が必要になります。

 その対応とは、所有者に連絡して解体、補修などの対応をしてもらうなどを行います。
 しかし、ここで倒壊寸前の建物の所有者が対応せずにほったらかしにして危険な建物のままだとすると近隣に住んでいる人たちはたまったものじゃありません。

 そうなれば行政もその先の対応をしないといけなくなります。
 その対応とは、行政の最終的な手段として行政代執行があります。行政代執行とは、その建物の所有者に代わって、必要な処分を行うということです。
 空き家で危険な建物ということであれば、解体を行政が法律に基づき行う事になります。
 ここまででは行政が解体してくれる、面倒なことをしなくていい、と考えられますが、この先があります。まず、本来なら建物の解体はその建物の所有者が行わないといけませんので、解体費用は建物の所有者の負担となります。
 行政はその解体費用を税金として、所有者に請求することができます。

 税金はお金が無く破産したとしても免除されることはありませんので、ずっと支払い義務が残ります。

 その建物所有者に何らかの財産があれば差し押さえや競売をすることで行政は解体費用を回収します。行政代執行して建物解体まで手続きが進む案件は、まだたくさんあるわけではありませんが、空き家が多くなることがこの先予測されていますので、先々は増えていくことになると思われます。

 今後、日本の人口も減少していくことになりますので、このような建物を所有されている方は、早めに解体するか、売却を考えたほうが良いかもしれません。

回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
福田土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 福田 憲太郎
福岡市対馬小路4-1-101
TEL092-263-5051 FAX092-263-5041
HP: http://www.tochi-con.jp
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