土地家屋調査士の仕事って?

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福岡!企業!元気!土地建物のワンポイント 《令和元年10月号》
未登記建物について

今月は、未登記建物について説明します。

 未登記建物とは登記できるのに登記をしないでいる建物のことをいいます。
 なぜ、登記せずに至ったのかは、さまざま理由がありますが、一つ目に考えられるのが、建築した建物を現金などで建物の建築代金を支払い、そのまま登記を忘れてしまっている、または、昔の建物であれば登記制度がはじまる以前で、以前の家屋台帳の記載漏れ、などが考えられます。

 よくあるのが、固定資産税は課税されているから大丈夫と思っても、いざ、登記を調べてみると、登記されていないことがあります。固定資産税を課税する役所は登記をしてくれません。自ら登記をする必要があります。
 近年では住宅ローンを使い建物を建築し取得する場合は銀行の抵当権などの設定があるので、登記漏れはほぼありません。抵当権を設定するには、未登記建物ではできないからです。
 では、未登記建物を登記された建物に解消しないと、さまざまな弊害がありますがどのような状況で弊害があるのでしょうか。
 まず、建物が売買できないことがあります。登記された建物は所有権移転によって売買ができますが、未登記建物は登記されていないため所有権移転の登記ができません。また、リフォームローンなどの銀行が必要とする登記がないとローンによる融資ができません。

 また、未登記建物を所有する被相続人(亡くなった人)の建物を相続人が相続したとしても未登記建物であれば、相続したことを登記簿で証明できません。未登記建物のままでは上記の通り売買もできません。

 最後に、相続による未登記建物を登記された建物にするには、どのようにすればよいかですが、普通の登記申請書類の他、遺産分割協議書や戸籍謄本などの書類が余分に必要になります。手間や費用が追加でかかります。

 今月は以上です。

回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
福田土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 福田 憲太郎
福岡市対馬小路4-1-101
TEL092-263-5051 FAX092-263-5041
HP: http://www.tochi-con.jp
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