税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《平成24年7月号》
代償分割又は換価分割と譲渡所得A

 前回に引続き,代償分割により取得した資産を譲渡した場合と換価分割により取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の計算について取り上げます。

[設例1]−代償分割の場合
相続人甲,乙,丙
相続財産 宅地A 相続税評価額4,000万円(分割時の時価5,000万円)

T 遺産分割の概要

1,相続人甲は,宅地Aを相続する。
2,相続人甲は,宅地Aを取得する代償として,相続人乙及び相続人丙にそれぞれ 1,250万円の現金を支払う。

U 宅地Aの売却
相続人甲は,宅地Aを5,000万円で売却した。

V 相続税の課税価格(相基通11の2-10のただし書.に該当する場合)
@相続人甲 宅地A4,000万円−代償債務(1,000万円+1,000万円)=2,000万円
A相続人乙 代償財産1,250万円×4,000万円/5,000万円=1,000万円
B相続人丙 代償財産1,250万円×4,000万円/5,000万円=1,000万円

W 宅地Aの譲渡所得の譲渡収入金額の帰属
相続人甲 譲渡所得の収入金額5,000万円
@ 譲渡所得の帰属者は,宅地Aの取得者である相続人甲のみです。
A 代償債務の金額2,500万円(=1,250万円+1,250万円)は,宅地Aの取得費に 算入することはできません。

[設例2]−換価分割の場合
相続人甲,乙,丙
相続財産 宅地A 相続税評価額4,000万円

T 遺産分割の概要
相続人甲,乙及び丙は,宅地Aを,甲が1/2,乙が1/4,丙が1/4の割合で取得し, 所定の条件で売却した後,その売却代金から売却費用を控除した金額につき,各持分 の割合でそれぞれに分配する。なお,売却手続きの便宜上,甲名義に相続登記をする。

U 宅地Aの売却
宅地Aを5,000万円で売却した。

V 相続税の課税価格
@相続人甲 4,000万円×(5,000万円×1/2)/5,000万円=2,000万円
A相続人乙 4,000万円×(5,000万円×1/4)/5,000万円=1,000万円
B相続人丙 4,000万円×(5,000万円×1/4)/5,000万円=1,000万円

W 宅地Aの譲渡所得の譲渡収入金額の帰属
@相続人甲 譲渡所得の収入金額5,000万円×1/2=2,500万円
A相続人乙 譲渡所得の収入金額5,000万円×1/4=1,250万円
B相続人丙 譲渡所得の収入金額5,000万円×1/4=1,250万円

設例1と設例2のいずれも取得割合は同じようにみえますが,代償分割と換価分割とでは譲渡所得の帰属が異なります。つまり,その譲渡所得に係る所得税・住民税の負担者が異なります。

次号へつづく
回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
〒810-0073福岡市中央区舞鶴2-4-13九州DKビル6階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
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