T 概要
所得税は,所得者本人が自ら申告納税するといういわゆる「申告納税方式」を採用しています
が,特定の所得については,「源泉徴収制度」というものがあります。
この源泉徴収制度とは,法人や個人が,給与(賞与を含みます。)や退職金,報酬・料金等,
その他所定の支払いをする際に所定の所得税を差し引き,その差し引いた所得税を,原則とし
て,その支払った月の翌月10日までに国に納付しなければならないというものです。
源泉徴収された所得税の額と本来の所得税の額との差額は,年末調整や確定申告により精算
される仕組みとなっておりますが,源泉徴収の段階で課税関係が終了するものもあります。
U 源泉徴収義務者
源泉徴収は,『源泉徴収の対象となる所得の支払者』に義務があります。
1,源泉徴収義務者(所法6)
所法第28条第1項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者その他所法第4編第1
章から第6章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者は,この法律により,その支払に係
る金額につき源泉徴収をする義務がある。
2,源泉徴収を要しない給与等の支払者(所法184)
常時2人以下の家事使用人のみに対し給与等の支払をする者は,前条の規定にかかわらず,
その給与等について所得税を徴収して納付することを要しない。
3,源泉徴収を要しない退職手当等の支払者(所法200)
常時2人以下の家事使用人のみに対し所法第28条第1項(給与所得)に規定する給与等
の支払をする者は,前条の規定にかかわらず,その支払う退職手当等について所得税を徴収
して納付することを要しない。
4,報酬,料金等に係る源泉徴収の規定の適用除外(所法204A)
所法第204条第1項(報酬,料金等に係る源泉徴収義務)の規定は,次に掲げるものにつ
いては,適用しない。
一 省略
二 所法第204条第1項第1号から第5号まで並びに第7号及び第8号に掲げる報酬若しく
は料金,契約金又は賞金のうち,所法第183条第1項(給与所得に係る源泉徴収義務)の
規定により給与等につき所得税を徴収して納付すべき個人以外の個人から支払われるも
の
三 省略
5,報酬,料金等に係る源泉徴収義務者の範囲等(所基通204-5)
所法第204条第2項第2号に規定する「第183条第1項(給与所得に係る源泉徴収義務)
の規定により給与等につき所得税を徴収して納付すべき個人」には,実際に徴収して納付す
る税額がない者も含まれることに留意する。この場合において,法第204条第1項各号に掲
げる報酬,料金等の支払をする者が当該個人に該当するかどうかは,当該報酬,料金等を支
払うべき日の現況により判定する。
V 源泉徴収の対象となる所得等
@ 利子所得及び配当所得に係る源泉徴収(所法第4編第1章)
A 給与所得に係る源泉徴収(所法第4編第2章)
B 退職所得に係る源泉徴収(所法第4編第3章)
C 公的年金等に係る源泉徴収(所法第4編第3章の2)
D 報酬,料金等に係る源泉徴収(所法第4編第4章)
E 非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収(所法第4編第5章)
W 徴収時期の原則
所得税を源泉徴収する時期は,原則として,源泉徴収の対象となる所得を現実に支払う時と
されています。
[支払の意義](所基通181〜223共通−1)
所法第4編≪源泉徴収≫に規定する「支払の際」又は「支払をする際」の支払には,現実に金銭を交付する行為のほか,元本に繰り入れ又は預金口座に振り替えるなどその支払の債
務が消滅する一切の行為が含まれることに留意する。
次号へつづく
回答者 税理士 鵜池 隆充
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