税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《令和6年7月号》
相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例

1.概要
相続時精算課税適用者が、特定贈与者から贈与により取得した土地又は建物について、その贈与の日からその特定贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限までの間に、令和6年1月1日以後に災害(※1)によって一定の被害(※2)を受けた場合(その方がその土地又は建物を贈与日から災害発生日まで引き続き所有していた場合に限ります。)には、その相続税の課税価格への加算の基礎となるその土地又は建物の価額は、その贈与の時における価額から、その災害による被災価額を控除した残額とすることができます。

※1 災害とは、震災、風水害、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害及び火災、鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害並びに害虫、害獣その他の生物による異常な災害をいいます。

※2 一定の被害とは、その土地の贈与時の価額又はその建物の想定価額(注1)のうちに、その土地又は建物の被災価額(注2)の占める割合が10%以上となる被害をいいます。
(注1) 想定価額とは、その建物の災害発生日における一定の算式により求めた価額をいいます。
(注2) 被災価額とは、被害額から保険金などにより補?される金額を差し引いた金額をいい、その土地の贈与時の価額又はその建物の想定価額を限度とします。

2.手続
相続時精算課税適用者が、この特例の適用を受けるためには、原則として、その災害 発生日から3年を経過する日までに、災害による被害額や保険金などにより補?される 金額などの事項を記載した申請書に「り災証明書」など一定の書類を添付して、その相続時精算課税適用者の贈与税の納税地の所轄税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。
なお、相続時精算課税適用者が上記の承認を受けた後に、保険金の支払を受けたこと などにより被災価額に異動が生ずる場合には、遅滞なく、異動が生ずる事由等を記載した届出書等を所轄税務署長に提出しなければなりません。

3.この特例と、災害に関する他の措置との関係
相続時精算課税適用者が、被害を受けた土地又は建物について、災害減免法(※)により贈与税の軽減等の適用を受けようとする場合又は受けた場合は、この特例は適用できません。
※ 災害減免法とは、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」をいいます。

                                          以上

回答者 税理士 鵜池 隆充
プラス事務所税理士法人 代表税理士 鵜池隆充
〒810-0001 福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタービル3階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
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