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財務会計の散歩みち
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財務会計の散歩道−棚卸資産(リスク) |
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「融資判断をする際は、その会社の棚卸資産の状況を見てから判断をします。」と、ある銀行の役員さんがおっしゃっていました。その会社が、儲かる企業かどうかが一目瞭然だそうです。 ある卸売業のケースを見てみます。
(金額単位:百万円)
■ 対売上高棚卸資産比率 14.8%
利益に着目すると、棚卸資産が経常利益の4倍以上存在します。
次に、フローの観点から見ると、この企業の売上原価は、約25億円あります(売上高−売上総利益)。
さらに、同じくフローに関することですが、25億円の売上原価ですから、月当たり約2億円の売上原価が発生しています。在庫の残高が4億6千万円ですので、2ヶ月分強の在庫を抱えている計算になります。
以上3点の経営的な視点を紹介しましたが、単に会計数値のみを比較するだけでは、正しい経営判断はできません。 情報システムの導入やたな卸しの専門業者への委託など、多額のコストかける方法以外にも、日ごろの業務改善により棚卸資産管理の精度を高める方法はあります。次回以降、その業務プロセスのポイントを解説したいと思います。 回答者 公認会計士 松尾 拓也
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