(1)連帯保証について
連帯保証人は債務者とほぼ同様の義務を負います。債務者が弁済をしてくれればいいのですが、そうでなければ、連帯保証人が支払いをしなければならないことになります。
連帯保証人になったために生活が出来なくなるといったことが社会問題となり、平成16年の民法改正では、連帯保証は書面によることを求めていますし、裁判例でも、あまり利害関係の無い第三者の連帯保証の場合には、債務者の返済見込みについて十分な説明がなかったと判断するなど、連帯保証人にあまりにも酷な判断を避ける傾向も見受けられます。また、最近では、金融機関が経営者に対し連帯保証を求める場合にも制限が加えられるようになりつつあります。
ただ、やはり会社に資金を貸す以上、会社が返済をせずに、社長がいい暮らしをしているのは納得できませんし、社長個人に対し連帯保証を求めたいことも少なくないでしょう。
逆に、第三者を連帯保証人とするという場合には、十分な説明がなされなければ、裁判で連帯保証人に支払いを求めようとしても、厳しい判断となる可能性もあります。
(2)連帯保証は自筆による署名、実印で押印を
前項のような問題を避けるためには、連帯保証人には自筆で署名、押印をしていただき、実印での押印、印鑑証明書の添付を求めるべきです。
通常、実印は他の人に管理をさせません。このため、実印を押印している場合には、押印者が真意で契約したと考えることができます。
(3)書式
以下のような書式を参考としてください。なお、利息については記載をしていませんが、利息の定めをすることも可能です。
金銭消費貸借契約書
貸主A社を甲、借主B社を乙、連帯保証人Cを丙とし、甲乙丙は、本日、次のとおり金銭消費貸借契約を締結した。
1 甲は、乙に対し、本日、以下の約定にて金1000万円を貸付け、乙はこれを受領した。
弁済期 平成28年3月31日
利息 無利息
2 乙が期限内に弁済をしない場合には、乙は、支払い済まで未払い金に対し、年14.6%の割合による遅延損害金を付加して弁済する。
3 連帯保証人丙は、借主乙が本契約にて負担する一切の債務について、借主と連帯して履行することを保証する。
以上、本合意成立の証として本書3通を作成し、甲、乙、丙は署名押印の上、各1通所持する。
平成 年 月 日
貸主(甲) 住所
氏名 印
借主(乙) 住所
氏名 印
連帯保証人(丙)住所
氏名 印
回答者 弁護士 小川 剛
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