A 被告は出席?欠席?
(1)被告が出廷する場合
この場合には、裁判所から話し合いを促される場合がほとんどです。話し合いというのは、退去を前提とするのか、それとも賃料の支払をし、賃貸借契約を正常化させるのか、という点で、話し合いをするということになります。
退去を前提とする場合には、退去に猶予を与える、あるいは未払い賃料の支払の一を免除する、原告が被告退去時の残置物を一方的に処分する、といった条項を合意することになります。
未払い賃料の免除については、法的に免除する必要はありませんが、家賃も支払えないような状況の方から債権回収をするのは困難なことが多く、家主としては優良な賃借人を入居させることを優先して考えると、被告から滞納家賃を回収するよりも、明渡しを優先することに意味がある場合があります。また、明渡しに関する強制執行の費用を考慮すると、とにかく明渡しを優先せざるをえないのです。
このような場合、次のような内容を骨子とする和解をすることがあります。
ア 被告は、原告に対し、未払い賃料20万円の支払義務があることを確認する。
イ 被告は、原告に対し、前項の金員を平成30年9月から同年12月まで、毎月末日限り金5万円を支払う
ウ 被告は、原告に対し、本件建物を平成30年9月末日限り明け渡す。
エ 被告が前項の明渡しを遅滞なく完了した場合には、原告はアに定める金員の支払を免除する。
もちろん、被告が話し合いに応じない場合には、判決を得るということになります。
(2)被告が欠席する場合
この場合には、概ね欠席判決となります。欠席判決は第1回期日から1,2週間で得られることがほとんどです。賃料を支払わないような方の中には、誠意をもって対応をしないような方も少なくなく、欠席判決となる確率は通常訴訟よりも多い印象です。
こうなれば、判決により強制執行を行うことになります。
次回は、強制執行の準備について説明をしたいと思います。
以上
回答者 弁護士 小川 剛
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