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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和4年9月号》
M&Aについて M&A事例のご紹介3

今回はインターネットサイトのM&A、YouTubeアカウントをインターネット上で行う例について、ご紹介をさせていただきます。

1 質問
  先日、とあるYouTubeのアカウントが、ネット上で高額で取引されたという話を聞きました。どのような取り引きとなるのでしょうか?インターネットサイトの売買とはどのようなものでしょうか?

2 回答 (1)YouTubeのアカウントの売買について
 そもそもYouTubeのアカウントの売買が規約に反しないのかという点が気になる方もいると思いますが、現時点ではYouTubeのアカウントの売買自体が違法、規約に反するという見解は得られていません。もちろん、今後、規約で制限がなされる可能性はあります。この点はリスクとなります。
 収益化が期待できるアカウントを取得することで、収益を得る、自己のサイトとのシナジーが得られる可能性など、様々な効果が期待できます。
(2)YouTubeアカウントの売買の方法
 YouTubeアカウントの売買は、アカウントとパスワードを引き渡すということで行います。
 もちろん、それに付随して動画の著作権等の権利も譲渡しなければなりません。
 対価については、交渉によるものとなりますが、これまでの収益性によって、その額は大きく異なることになります。
 なお、最近では数千万円で売却されるようなアカウントも見受けられるところです。
 具体的には、著名人の動画のまとめサイトでした。
 実際の売買は、例えば、ラッコM&Aでは、サイトの売却情報を確認し、購入希望であれば、通常の売買と同様に価格交渉、条件交渉をして契約書を作成することになります。条件としてはアカウントのフォロー期間、競業禁止の期間等について合意をすることが多くなっています。
(3)手数料について
 例えば、ラッコM&Aでは、現状、売手が代金の5%を支払うことになります。
(4)リスク、注意点について
 買ったチャンネルは手間を掛けなければ、価値を維持できない可能性があります。
 また、規約違反をしてしまうとアカウントが凍結されるリスクがあり、これが最大のリスクだと思われます。

  今後、YouTubeサイトを充実させ、販売するようなビジネスが増えるかもしれません。関心がある方は高額ではないサイトもありますので、購入の前に、情報収集でM&Aサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。

                                                   以上

次回は、また別の事案をご案内いたします。    

本説明は本原稿掲載日(令和4年8月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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