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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和6年3月号》
M&A後のフォローについて

1 M&A後の引継ぎ サイト売買の場合
何度かこの連載でも、ラッコM&Aについてご紹介をしてきました。
ラッコM&Aは、WEB上でサイトの売買をするスキームですが、ネット上での売上が大きな会社も多数存在しますし、サイトを中心として、事業の売買がなされるようになってきました。
例えば、あるアフィリエイトサイトを売買する際に、そのサイトは複数のライターに原稿を外注しているとします。また、どのような原稿を掲載するのがよいのか、システムはどのように運営すればいいのか、といった点については、売買までには公開もできませんし、売買を行った途端に引継ぎがなされないままだと、到底運用できなくなってしまいます。
そこで、フォロー期間を設けることが多くなっています。
サイトの売買の場合には、お互いに顔をあわせることはありませんので、例えば、「譲渡日から1か月間、メール、電話の方法により売主は買主の本サイトの運営をサポートする」といった条項を追加することがあります。また、丁寧な売主はマニュアルを用意し、「譲渡対象資産に本サイトの運営マニュアルを含む」とする場合もあります。

2 一般的なM&Aの場合
サイトの売買の場合には引継ぎ方法を定めていますが、同様に一般的なM&Aにおいても譲渡完了で終了するのではなく、その後のフォロー体制についても合意をすることは重要です。
具体的な方法としては、キーとなる人材の処遇、引継ぎをどうするか、社長を会長職として1年間雇用する、といった方法等が考えられます。代表者が残るとなれば、変な売買にはできないでしょうから、その点でも有効な方法だと考えます。
売買を円滑に行い、双方よしの取引とする手法としてご検討ください。

                                                 以上    

本説明は本原稿掲載日(令和6年2月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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