不動産鑑定士の仕事

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和4年3月号》
不動産証券化G

1.はじめに
今回は「エンジニアリング・レポート」の調査項目である「建物遵法性の調査」についてご紹介します。

2.エンジニアリング・レポート(ER)
エンジニアリング・レポートとは、建物の遵法性、修繕費用、土壌汚染、耐震性等に関するレポートです。不動産の証券化では、投資家保護を目的としてエンジニアリング・レポートを取得しますが、建物の遵法性等のリスクをクリアーにする目的で、不動産の売買や融資の際に取得するケースも増加しています。

3.建物遵法性の調査の意義
遵法性の調査は、エンジニアリング・レポートの調査項目の中で最も重要な調査で、対象建物が建築基準法、消防法等に準拠しているかどうかを調査します。
建築基準法に適合していないと、店舗ビルの火災や看板落下事故などで人命にかかわる事故に繋がるおそれも有りますので、法令に適合することは最低限の義務と言えます。

4.違法建築の例
(1)駐車場を店舗に用途変更
建物の1階部分を駐車場として申請しているにもかかわらず、実際は店舗として使用している物件が時々見受けられます。
この場合、用途変更について確認申請が必要ですが、店舗で申請すると容積率オーバーとなり、そもそも確認申請が出来ない場合も有ります。なお、容積率とは、建物の延床面積に対する敷地面積の割合のことで、定められた容積率以下で建物を建築することが義務付けられていますが、駐車場は一定の割合で容積率不算入が認められています。
(2)境界確認の結果、違法建築となる事例
土地の境界確認を行った結果、建物が違法建築となるケースが有ります。基準容積率いっぱいに建物を建築している場合、敷地面積の減少は、建築可能な延床面積の減少となり、容積率オーバーの違法建築となってしまう可能性が有ります。したがって、土地の境界が未確定の物件は注意が必要です。

5.最後に
次回もエンジニアリング・レポートを説明します。

回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
佐々木不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 佐々木 哲
〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2-6-20 ラクレイス薬院203
TEL092-791-1873 FAX092-791-1893
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