【初めに】
サラリーマンの皆様、毎日のお勤めお疲れ様です。
今日は在職老齢年金についてお話しさせていただきます。
若い方はなんだそれは?とお思いでしょうが、50歳代後半に入り、そろそろ老後の生活設計を考えないといけないな、会社はいつまで雇ってくれるのかしらん?と考えたことのある方は一度くらい聞いたことがある言葉かもしれません。
【在職老齢年金】
在職老齢年金とは60歳以降(厚生年金が61歳からもらえる人は、もらえる年齢から)厚生年金に加入して働くときにもらえる年金のことです。
ええーっ!今まで高い厚生年金保険料を払ってきたのだから、全部もらえるんじゃないの?だって自分のものじゃん!とお考えでしょうが、残念ながらみなさんが払ってきた保険料は現在年金をもらっている高齢者の方々の年金に姿かたちを変えているのですね。
しかも、この年金制度を維持していくためにも、元気に働いて給料をもらっている人は、年金全部はいらないでしょう?ということで、国は支払う年金を制限しているのです。
厚生年金に加入してと言いましたので、厚生年金に加入しない働き方の人は関係ありませんので念のため。
また、家賃収入とか農業所得も関係ありません。
次に計算式を示します。非常にわかりやすく説明しますと、60歳でもらえる厚生年金と60歳以降の下げられた給料をたしたものから28万円を引きます。その出た数字の半分を年金から差し引くのです。それが、みなさんが受け取れる年金なのです。
たとえば、年金が10万円、下げられた給料が20万円ならば10+20−28=2
2×2分の1=1 10−1=9 もらえる年金は9万円なのです。
【Aさんの例】
ただ、もう少し厳密にいうと給料は「総報酬月額相当額」のことでして、標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額を12で割った額を合計したものとなります。
標準報酬月額も4・5・6月にもらった給料の総額を3で割り、平均したものを等級にあてはめたものです。標準賞与額とはボーナスです。ここまで来るとなにがなんだかさっぱりわからないとなるかもしれません。
いずれにしても、本人の意思に関係なく会社は給料を下げてきますし、意思に関係なく給料と年金が高いと、年金は一部または全部止まるのです。もちろん止めた年金があとからもどってくる・・・・わけではありません。
給料を60歳前と後で比べ75%未満に下がったら一定の条件はありますが、ハローワークから高年齢の給付金がもらえます。でもここでもこの給付金をもらったら、先ほどの在職老齢年金の一部がまたまたけずられることになるのです。
これらについてお客様に説明すると、ほんとによくこんなうまくできてる(調整とか何とか言って払わないしくみ)制度を国はつくったわねとおっしゃいます。
私も同感です。年金数理人とかいう人たちや頭のいいお役人が作るのでしょうが、ホント制限規定がよくできています。
回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
|